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陶仙房【佐賀県・武雄市】
魯山人の心が生きた侘びの世界観 器が放つ圧巻の存在感を求めて
陶仙房【佐賀県・武雄市】

 佐賀県武雄市にある「陶仙房」にずらりと並ぶ、シンプルでありながら存在感を湛える器の数々。「食器は料理の着物」となる名言を残した北大路魯山人の精神を今に受け継ぐ、陶芸家・山本英樹さんの作品です。その器の精悍な表情と使い勝手の良さは、一流の料理人たちが惚れ込むほど。「あまり自己主張せず、料理や草花と合わせたときに完成する器を作っています」と語る山本さんの作品は、その陰影によって料理を際立たせます。全て、地元・佐賀の陶土を使用するという作品が醸す銅や鉄のような風合いは、自ら調合する金彩釉や玄釉によって生み出されたもので、使い込むほどに艶がでます。ひとつ持てば、また次が欲しくなる不思議な磁力を発するような器です。

内観
山本英樹さん

山本英樹さんが師事した番浦史郎氏は、北大路魯山人の工房・星岡窯の再建に尽力した河村熹太郎の弟子。一流の料理人たちがこぞって山本さんの作品を求めに足を運ぶ

内観
作品

(上) 山本さんの信条は「料理が映える器つくり」。盛り付けたときにベストな状態が理想だとか。使い込むほどに漆のようなしっとりとした艶が出てくる

(左) 銅や鉄を思わせる色は源釉の特徴。力強く品格のある姿は、日本ならではの侘びの世界を彷彿とさせる。素材が引き立つ、いわば寛容の美

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