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藍生庵【福岡県・久留米市】
昔ながらの藍染技法を今に伝える 久留米絣(かすり)の工房を訪ねる
藍生庵【福岡県・久留米市】

 純正天然藍の葉を発酵させた「蒅(くすも)」という染料と、染め液のベースとなる天然の「灰汁(あくだて)」をかめで仕込む、昔ながらの藍染技法で絣(かすり)を作り上げているご夫婦の元へ。ここは、国の無形文化財である久留米絣の工房。事前に予約をすれば見学することができます。
 工房の中は、独特の藍の香りが漂っていました。ご主人がかめの蓋を開けると、発酵の進んだ藍がブクブクと息をしているよう。久留米絣は、染める前に14工程、染めた後に13工程があるのだと、話しながら手際よく機を織る奥様。着物一反を仕上げるのに、3カ月かかるというのも、その工程を見れば納得です。何年経っても色褪せることなく風合いを増してゆく絣。一つ一つの手作業から生まれた賜物でした。

藍のかめ
機織り奥さん

シャーットントン、シャーットントン。軽やかなリズムで染めた糸を丁寧に折り上げてゆく。奥様が着ている藍染めの服は、20年以上着ているという。全く色あせた感じはない

作品のバッグ
手元の作業

(上) 手織りの生地で作られたバッグ。右側は麻生地、左側の模様入りの部分は木綿。2種類の違った生地で仕上げたシンプルで上品なデザインは、使う人の世代を選ばず長く使えそう

(左) 絣は、緯(よこ)糸と経(たて)糸で描く文様が特徴。「絵糸(えいと)描き」は、染めるところと染めないところを決め、横糸一本一本に印を付けてゆく気の遠くなる作業

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