


歴女にとってあこがれの徳川家の至宝を存分に愛でる空間は、やっぱり名古屋にありました。家康が溺愛した九男・義直を祖とする尾張徳川家が受け継いだ大名道具を一堂に集めた「徳川美術館」は、家康の実子としてのプライドを感じさせる遺産の宝庫。家康着用の具足や鞍(くら)・鐙(あぶみ)など、圧倒されるような存在感。いつでも出陣できる様に整えられ、磨き上げられたその姿は、徳川家の誇りそのものに見えました。
400年の時を越えて“家康様”と対面した後には、尾張徳川家の別邸だったという「徳川園」を散策。「駿河御譲(おゆずり)本」と呼ばれる家康の蔵書3000冊を基に築かれた「蓬左文庫」も隣接していて、大名の暮らしを垣間見るひとときでした。


第一展示室「武家のシンボル 武具・刀剣」には、「武士の魂」と言われた精神の象徴として重要視された刀剣など、さまざまな武具が展示してある


(上) 第二展示室「大名の数寄 茶の湯」では、名古屋城二の丸御殿にあった「猿面茶屋」を復元。茶の湯は江戸時代になると武家の格式行事になり、大名は高価な茶の湯道具をそろえた
(左) 第四展示室「武家の式楽 能」には、名古屋城二の丸御殿の能舞台を実物大で復元してある。面や豪華な能装束など典雅な宝物を見ることができる