
青森
お料理 菜のはな
「料理人の手わざを肴に
一献、また一献と杯を傾ける夜」
本州最北端の青森は優れた食材の宝庫だ。その食材に、腕利き料理人の手業が加わるとどうなるのか。答えを探しに、みちのくへ旅に出た。訪ねたのは『お料理 菜のはな』。青森の旬に京の風情を盛った料理は繊細にして雄弁で、地元の常連客でさえ来るたびに感嘆するという料理人の“技”が光る店だ。
前菜は、タコの桜煮、ユリネのごま和え、旬のナマコ酢による競演。そして青森に春を告げるトゲクリガニ、ヤリイカの活き造りと続き、卓上は春が咲き誇ったようなにぎわいを見せる。店主曰く、「基本はシンプル。お客様からは創作料理といわれることもありますが、自分は地元の食材で郷土料理を作っているつもりなんです」。
訊けば、その土地でとれた食材をその土地の料理方法でいただく“地産地消”ならぬ“土産土法”というスタイルなのだとか。侘びさびの境地を説いた千利休の命日、“利休忌”の茶花“菜のはな”に由来する店名にも主人の想いが込められている。
青森の食材から生まれる現代の郷土料理は心に沁みる。料理人の手わざを肴にゆるり過ごす夜は心地いい。





青森
お料理 菜のはな
- 住 所
- 青森県青森市本町5-4-20
- TEL
- 017-775-7265
- 営業時間
- 18:00~22:00
- 定休日
- 不定 ※事前予約がおすすめ
※記載内容はFDA機内誌「DREAM3776」Vol.15号(2016年3月発行)掲載時のものです。