


街中に突如出現する洋風建築の数々―。弘前公園の周辺には、明治時代に築かれた数々の洋館が佇み、まるでハイカラな文明開化の風が吹いているよう。代表的な洋風建築に数えられる「青森銀行記念館」は、ルネッサンス様式を取り入れた建造物。瓦を張り込んだ壁面に漆喰(しっくい)を塗り固めるなど、白壁土蔵造りの技術を取り入れています。また、県産のケヤキやヒバを建材に使用。西洋建築を模しているように見えるけれど、実は津軽ならではの様式を携えているのです。「日本キリスト教団弘前教会」では、説教台に津軽塗を使用するなど、細部にわたる“津軽イズム”を発見!洋風建築のレストランやカフェもあり、ティータイムを過ごす楽しみをお忘れなく。

ミニチュア建造物群には小さな人形たち。その姿に当時の暮らしを垣間見ることができる

「日本キリスト教団弘前教会」は、明治8年(1875)に創立された東北で最も古いプロテスタントの教会。パリの「ノートルダム大聖堂」を模した美しさは当時のまま


(上) 明治39年(1906)に建築された「旧弘前市立図書館」。弘前に洋風建築をもたらした大工の棟梁(とうりょう)・堀江佐吉により建てられたものだ
(左) 「追手門広場」内には弘前の洋風建築を1/10の大きさで再現したミニチュア建造物群が設置されている。まるでガリバーが街をかっ歩するような気分を楽しめる