


東北で唯一江戸時代に再建された天守が現存している「弘前城」は、約260年もの間この地を治めてきた津軽氏の居城でした。その姿は司馬遼太郎が著書で「息をのむほど美しい」と評し、「日本七名城の一つ」に挙げているほどです。本丸から二の丸へ紅の「下乗橋」を渡ると、城内に三つの隅櫓(やぐら)と五つの城門を今も見ることができます。見事なのがその石垣。野面積(のずらづみ)から切込剥(きりこみはぎ)まで、全国にある城の石垣の積み方を見ることができる、通にはたまらない城郭なのです。また、弘前公園といえば全国に知られているのが「さくらまつり」(例年4/23~5/5)。本丸を中心にソメイヨシノやシダレザクラが咲き乱れると、東北の人々が待ちわびる春が訪れます。


天守内は「弘前城史料館」となっており、弘前藩政時代から今に受け継ぐ数々の歴史資料を展示している。具足や刀のほか、籠(かご)など当時の生活文化を見ることができる


(上)慶長15年(1610)に建造された三の丸東側の城門「東門」は、鯱(しゃち)を掲げた勇壮な造り。鉄砲狭間や物見など、櫓と同じような機能を持つ。天守と同じく国指定重要文化財
(左) 広い城内を散策したら「武徳殿」の休憩所で一休み。「りんご蜜姫」400円は、リンゴ糖蜜をたっぷりかけたあんみつ。リンゴ・桜・抹茶の寒天とリンゴ糖蜜の風味がよく合う