


街道に沿って続く木造の屋根付きの通路「こみせ」は、黒石藩政時代から受け継がれてきた当時のアーケード街。造り酒屋や呉服屋などが軒を並べる中町は今でいう繁華街で、前町・横町とともに城下町の中心として330年余りにわたって栄えました。
今も通りには古い建物が立ち並び、「日本の道百選」にも選ばれています。心地よい風が抜けていく「こみせ」を散策していると、古き良き時代の暮らしに触れる国指定重要文化財「高橋家」や津軽三味線のライブ演奏、酒の試飲など、さまざまな楽しみが待っていました。当時の人々もきっとワクワクしながら「こみせ」を行き交ったのではないかと思いを馳せながら、時を旅する。それが「中町こみせ通り」の醍醐味なのです。


津軽三味線のライブなどの催しも多く、演奏家の見事なバチサバキを目の前で体験できる。近隣にはライブ演奏を楽しめる食事処もあるので、要チェック!


(上)「鳴海家住宅」は1806年に創業した造り酒屋。創業時に建てられた母屋をはじめとする町家建築は江戸時代後期のこの地方の建築様式を今に伝える貴重な財産の一つ
(左) 「こみせ」の柱に残る金具は、馬の手綱をつなぐためのもの。今でいう“駐車場”のように、人々は馬を止めて買い物や飲食を楽しんだ。昔の風景が見えるかのようだ