「信州の蕎麦は素材だけが
ブランドじゃなかった」

旨い蕎麦を食いたくなったら、信州へ。蕎麦好きの信州人に、旨い蕎麦屋について尋ねると、大抵の人が「どこもおいしいですよ」と答えるくらい、どの店もハズレがなく、ハイクオリティーな蕎麦を提供している。信州は、ソバに適した気候で質の高いソバの実が育つ。しかし、蕎麦は、素材だけでなく、粉の挽き方、粉の使い方、配合率、つなぎ、麺の打ち方、切り方によって、味も香りも食感も全てが変わる。素材の優劣が半分なら、あとの半分は職人の腕に掛かっているのだ。

どんなに素材が良くても、腕がなければ、旨い蕎麦には仕上がらない。すなわち、信州の蕎麦が旨いその訳は、職人たちが持つ一流の腕がブランドだったのだ。