


芋独特の甘い香りでいっぱいの蔵に入ると、自分も焼酎にどっぷり浸かっているようなほろ酔い気分に。地中に埋め込まれた素焼きの壺で、時間をかけてじっくりと熟成されるこだわりの芋焼酎。ポコッ、ポコッと呼吸をする焼酎は、かわいい子どもを育てるように、杜氏の愛情がたっぷり注がれて、うまみを増していくのです。「唯一無二の薩摩焼酎を」という言葉の通り、素材選びにも力が入ります。鹿児島の自然湧水とサツマイモにこだわるのは当たり前。そこに杜氏が守り継ぐ伝統の技を注いで、最高の味わいに仕上がります。
百聞は一見にしかず。黙って焼酎を口にすれば、何も言われなくともその味が物語るよう。杜氏の焼酎にかける熱い想いが伝わってきました。


一つの部屋に仕込みがめから蒸留器まで全て手が届く範囲に配置されているので、管理が行き届き、全ての工程を見学できるのもうれしい


(上) 焼酎は生き物だといわれるほど、気温や湿度などの環境に左右される。原料の具合を見定め、気候を肌で感じて、杜氏たちは焼酎を育てていく
(左) 外気に左右されず、安定した品質の醪(もろみ)を作り出すかめ壺。一次仕込みはもちろん、二次仕込みにもかめ壺を使用し、唯一無二を目指している