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松本からはじめる ひょいと信州たび歩き 宿場町の旅籠に泊まろう

泊まる松本

「宿場町の旅籠に泊まろう」

まるで映画のワンシーンのような奈良井宿を満喫するなら、“弥次喜多珍道中”に出てくるような昔ながらの旅籠に泊まりたい! というわけで、奈良井宿きっての老舗2軒をピックアップ。 一夜のつれづれに、どんなドラマが生まれるやら。 それは泊まってみてのお楽しみです。

往年の脇本陣に泊る御奉行様気分「御宿 伊勢屋」

文政元年(1818年)以後、幕末まで代々下問屋を勤め、脇本陣も兼ねていたという‘御宿 伊勢屋’。 およそ200年前の創業当時から変わらぬ佇まいを今も守り続けています。

2階が少しせり出した‘出梁造り’や白い漆喰(しっくい)の‘袖うだつ’といった奈良井地区ならではの建築様式は往時のまま。 中に入ると、太い梁(はり)が組み合わさった吹き抜けになっていて、その重厚な空間は脇本陣として多くの賓客をもてなしてきた歴史の重みを感じさせてくれます。

案内されたのは、街道に面した2階の一室。 障子を開けると、格子の向こうには街道の風景を眺めることができます。 観光客でさんざめく街道の様子を格子越しに眺めていると、気分は江戸時代の旅人。

夕食は四季折々の山里料理がメインです。 臭みのまったくないコイの洗いや、コイの唐揚げの野菜あんかけ。そして採れたての山菜を、和えものやおひたしに。 それにしても木曽塗のおひつに入った炊きたてのごはんのおいしいこと。 思わず何杯もお代わりしてしまいました。

黒光りのする磨き上げられた廊下に、風情溢れる家具や小物。 そのどれもが年月を湛え、貫禄を感じさせるものばかり。

近代化による利便性と引き換えに失ってしまった日本の豊かな暮らしの風情が、ひっそりと、でも確かなリアリティを湛えてそこにはありました。

御宿 伊勢屋

住所:長野県塩尻市奈良井388
TEL 0264-34-3051
https://oyado-iseya.jp/

江戸時代から続く唯一の旅籠「木曽奈良井宿 ゑちごや旅館」

旅人たちにとって奈良井宿は、中山道最大の難所といわれた‘鳥居峠越え’に備えてゆっくりと休み、英気を養う宿場町でした。 その癒しの街で200余年を経た今も変わることなく旅籠を専門としている唯一の宿がここ‘ゑちごや旅館’です。

玄関に掲げられた総ケヤキ作りの旅籠行燈(はたごあんどん)。 一本の釘も使わず作られたこの行燈に明かりが灯る風情は、往時のまま。 島崎藤村や正岡子規ら文豪たちもこの佇まいに心を和ませたのだとか。

離れには‘川からの風も薫る’と謳われた‘薫風楼(くんぷうろう)’の間。 ここには堀口大學や犬養木堂の軸が掛けられており、文人墨客からも愛されていたことが分かります。 障子を開け放てば四季折々の坪庭を一人占めできるなんて、本当に贅沢な空間です。

使いこまれた木肌が艶々と美しい箱階段や小さな坪庭も昔ながらの姿を残しています。 奥行きが深い町屋造りならではの縁側で夕涼みもいいですね。

お料理はイワナやコイの洗いなど川魚が中心。夏には‘山の刺し身’とも称される夕顔の煮びたしなども登場するそうです。夕顔が食べられるなんて知りませんでした! 季節の旬をあしらう食膳には、時代を越えて受け継がれたおもてなしの心が込められているのですね。

江戸時代、伊勢参りブームの際にも全国から多くの参拝者が宿を求めたというこの旅籠には、今日も一人、また一人と旅人が立ち寄っては、タイムトリップを楽しんでいます。 過去の日常を辿る非日常の旅。 街道歩きって、いいものですね。

塩尻から始まった中山道の旅。 年季の入ったワイン好きでも、ふらりと立ち寄ったワイナリーでお気に入りの一本を探すのは難しいもの。 実際、どのワイナリーにも全く違う味とバックグラウンドがあり、改めてワインの奥深さを実感しました。 その芳醇な‘塩尻ワイン’を江戸時代にタイムスリップしたような旅籠で木曽塗のワインカップで飲む楽しみ……。
旅人を心ゆくまで満足させる現代の中山道でした。

ゑちごや旅館

住所:長野県塩尻市大字奈良井493
電話番号:0264-34-3011
http://naraijyuku-echigoya.jp/

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