English
  1. 公式TOP
  2. 松本からはじめる ひょいと信州たび歩き
  3. 奈良井宿・塩尻
  4. 木曽漆器の里歩き
松本からはじめる ひょいと信州たび歩き 優美な塗りの手技を見る

木曽漆器の里歩き松本

「優美な塗りの手技を見る」

木曽平沢宿は日本有数の塗り工芸の里として知られます。 街道沿いにおよそ400mも連なる “塗り屋さん”をぶらり訪ね歩くと、日本が誇る伝統工芸の素晴らしさにしみじみと感じ入ります。 匠の技を垣間見たくて、とある場所を訪ねました。

おじゃましたのは‘伊藤寛司商店’。 ‘古代あかね塗り’や‘黒塗り’などの美しい器を作っている工房です。 女将さん、こんにちは! 工房を見学させていただきたいのですが……。

いらっしゃいませ。 ちょうどよかった、今から作業を始めようとしていたところなんですよ。 ホコリはうるし塗りの大敵ですから、作業が始まると部屋に入れなくなるんです。 さぁ、さぁ、中へどうぞ。

これはすごい! 白壁土蔵の蔵ですね。 看板も渋いなぁ。

蔵の1階は下地作り。2階は傷見、中塗り、上塗りの作業場になっています。 特に2階で行う作業はホコリが大敵。 誰も入ってこられないように2階にしたんです。

特別に中塗りの作業を見ていただきましょうね。 人毛で作ったハケを使って丁寧に生うるしを塗っていきます。

え!? 人毛のハケで!?

パーマやヘアカラーで傷んでいない若い女性の黒髪が、一番高級なハケになるんです。

ハケの世界にもヒエラルキーがあるんですね。オモシロいなぁ。

ずらっとお椀(わん)が並んでいますね。 これはうるしを乾かしているんですか?

うるしは“乾燥”させるのではなく、“固める”んです。 うるしには “湿気で固まる”という不思議な性質があって、霧吹きで湿らせた棚の中で、じっくり固めていきます。

天日に干しても固まらず、水分で固まるなんて、うるしっておもしろい性質ですね。

上塗りだけでも7~10日。 基礎から下塗り、中塗り、傷見、上塗りまでの工程を職人たちが分業で担っても、ひとつの器が出来上がるまでに数カ月かかるんですよ。

そんなにかかるんですか! 緻密で繊細な手技を思うと気が遠くなりそう……。

そろそろお茶でもいかがですか? お抹茶に塩ようかん。 自家製の甘酒に牛乳を入れたデザートを作ってみたので、どうぞ召し上がってください。

うるしの器とさじ、楊枝の上品なこと。うるし塗りのさじって、とても滑らかなんですね。ますますデザートがおいしくなります。

この赤と黒のワインカップ、いいなぁ。お土産に買って帰りましょう。 うるしの器って、飲み口がやわらかいですよね。う~ん、このカップで選り抜きの塩尻ワインを飲みたい!

‘古代あかね塗り’と‘黒塗り’で仕上げたワインカップですね。 これは使うほどに味わいがでてきますから、末永く可愛がってください。

もちろん! 大切に愛用します! ありがとうございました!

伊藤寛司商店

住所:長野県塩尻市木曽平沢1607
電話番号:0264-34-2034
http://www.bekkoame.ne.jp/ha/yamaichi/

ひょいと信州旅歩き記事一覧

空席照会/ご予約
出発
到着
往路
搭乗日
復路
搭乗日
大人
小児
幼児