
お昼ごはん松本
「歴史ある町の、歴史あるランチ」

さてさて、松本城を見学した後はお楽しみのランチです。 信州・松本といえば“蕎麦”が有名ですが、今回は禁じ手。 「蕎麦ばかりが信州じゃない!」というわけで、 古くから地元の人に愛されている老舗で、 かつ美味しいと評判のお店をリストアップしました。
進化する時代遅れの洋食屋「おきな堂」

またまた松本の歴史を深く刻んだお店に御邪魔しました。 “おきな堂”さん。1933年創業で、今年の10月でなんと80周年! そして、玄関マットに大きく“時代遅れの洋食屋” の文字。 これは期待大です。




店内はこれまたレトロ&シック。 クラシックがかかり、モノクロ映画のチャップリンが無声映画よろしくずっと流れています。 完全にタイムスリップですね。ここは。





さっそく地元でも有名な“バンカラカツカレー”を注文したいところですが、
オーナー木内さんのオススメは“ハヤシライス”。
「うちはたっぷり時間をかけた料理が自慢ですから、
まずはその信条が凝縮された一品を試してください」とのこと。
スパイスと野菜を6日間も煮込み、
漉してから7日目に牛バラを投入してさらに煮込む
そのデミグラスソースをベースにメニューを展開する「おきな堂」の神髄。



そのハヤシライスは超絶旨い。 野菜から出る甘さとリッチな肉汁が溶け合い、 長時間の煮込みが育んだ奥行きのある味は絶品! このソースが他の料理にも応用されていると聞けば、 迷わずに片っ端から試してみたくなります。


食後には今年の1月に完成したばかりのプリンを是非召し上がってみてください。
しっかりとした卵風味に絡まる香ばしく焦げた苦甘カラメル。
長野産の牛乳を使って「懐かしい味を追い求めた」というこの一品は、
確かに“記憶を呼び覚ますプリン”です!
美味しい洋食&懐かしいデザートによる最強コンボを堪能させていただきました。


「野菜も料理も時間をかけて育てていきたい」と話す木内さん。 聞けば、自分の畑で育てた野菜をお店の料理に活かしているそうです。 松本の古い歴史と新しい歴史を同時に感じることができる希有な名店。 まいりました!
洋食レストラン&喫茶 おきな堂
住所:長野県松本市中央2丁目4−10
電話番号:0263-32-0975
営業時間:11:00〜15:30(L.O.15:00)、17:30〜21:00(L.O.20:30, コースL.O.20:00)
日曜 11:00〜18:30(L.O.18:00)
定休日:第2・4水曜日,12月29〜31日
確かな味で歴史を語る 「うなぎのまつか」

松本の食にまつわる口コミの中でも絶大な支持を得ているのが、“うなぎのまつか”。


古い日本家屋を入ると、なんだか田舎の親戚の家にでも上がりこんだような風情。1階と2階に部屋があるんですね。 メニューはシンプルで、4種のみ。 天気のいい日は鰻弁当持って松本城でランチ……なんていうのもオツですね。 (でも、良いうなぎが入らないとお店を開けないこともあるとのことなのでご注意を) 鰻は注文を受けてから、さばいて、焼きに入るらしく、 じっくり待つ間に熱燗1本とか、絶妙にアリです。


40分ほど待つと、両脇に漬け物と肝吸いを従えてお出ましになる シンプルなどんぶり。強力なオーラがあります、この佇まい。






で、蓋を開けると、キラキラに輝く鰻が2切れ。
少しラフな乗っかり方がこのうな丼に絶妙にマッチしているんです。
まるで「お行儀良く食べるなよ」って言われているかのよう。
お味の方は、ひと口目からノンストップ間違いなし。
蒸して焼く関東のスタイルだから、身から出てくる旨味と
少し甘みのあるタレが口の中でああなって、こうなって……。
まさに美味しさのパニック状態です。
そうそう、営業時間が“午前11時半よりうなぎ売り切れる迄”
というのは重要な情報。
店内は事情通と思しき地元のお客さんが
入れ替わり立ち代わりで、賑わっています。
美味しくて、雰囲気が良くて、値段もリーズナブル。
こんなバランスの良いうなぎ屋は滅多にありません。
こういう老舗をさり気なく懐にかかえている松本、いや本当に深い。

しかし悩むなぁ。胃袋はひとつしかないし……。 そう、こういう時はベーシックにアミダくじで決めるに限ります。
うなぎのまつか
住所:長野県松本市中央3-2-29
電話番号:0263-32-0747
営業時間:11:30~14:00ごろ(うなぎの売り切れるまで)
定休日:月曜日、木曜日