「大正15年創業の老舗で味わい倒す」

名古屋初心者ならば、老舗『角丸』の『みそ煮込みうどん 梅（玉子・かしわ入り）』900円を味わうべし。

塩を加えずに打った麺を打ち粉付きのまま土鍋に投入し、赤と白のブレンド味噌ベースのだし汁で煮含める。塩分のない麺は汁を吸い上げ、グツグツと音を立てながら目の前に到着するころには、艶々の味噌色に仕上がっている。熱さにひるまず、急いでひと口目の麺を味わおう。直煮でもちもち、打ち粉で付いたとろみのある汁をまとい、いい塩梅である。朝挽きのかしわ（鶏肉）は軟らかい。途中で潰すか、最後まで残すか…、“卵”の存在はお楽しみ。半生で麺に絡めると、和風カルボナーラのようだ。そして、底が見えくるころにふと気付く。「この麺は、ひと口目とは別物になっている」。