「炊き餃子の極意、餡にあり」

旨いものにありつきたければ、初めての店であってもひるまずにカウンター席を狙うべし。料理人との会話は、料理をさらに美味しくする魔法のスパイスだ。

ここは福岡市の中央区大宮にある『池田商店』。表の看板はごく控えめで一見何の店かわからない。がらり扉を開けると、店内には長～いオープンキッチンと、長～いカウンターが奥まで続いている。

名物は『炊き餃子』。といっても普通に想像する餃子とは別物で、簡単にいうと、博多名物“水炊き”の餃子版である。 白濁したスープは鶏ガラベース。餃子の餡は鶏ミンチ。「餡の中に、鶏の炭火焼きを少しだけ混ぜてるんですよ」とチラリ秘密を垣間見せてくださるのは、料理人兼店長、冨永さん。餃子が残りわずかとなった頃、「この黒いユズごしょう、合いますよ」と美味しく食べるコツを教えてくれる。

確かに。つつき呑み中盤のアクセントになる、なる。