
福岡
中洲 はかた舟
「揺らめく光に溺れながら
中洲の屋台船で酔う」
今宵はまぶしいネオンを借景に屋形船で一献傾けるとしよう。乗船場所は“福博であい橋”のたもと。「頭ぶつけんようにねー」という給仕の女性の博多弁が耳に心地よい。
福岡と博多の間を流れる那珂川沿いには屋台が立ち並び、提灯の明かりが川面に映る。屋台を眺めながら屋形船で呑むというのもまた一興。「どこから来んしゃったと?」と隣の卓から声が掛かる。酒を酌み交わし、海の幸と博多名物の鍋をつつけば、「一蓮托生」なんていう古い言葉が頭をよぎる。
酔い覚ましに展望デッキに出てみると、ネオンの洪水に溺れそうになる。「ネオンを見れば、景気が分かるんよ」という、商人の町、博多らしい尺度に照らせば、福岡は今、ゼッコーチョー。ぐっと低い視点から仰ぎ見る中洲の街は、まばゆいばかりの輝きに満ちている。それでも排他的にならず、どこまでも人懐っこい情を感じさせるのが福岡のいいところ。
さあ、席に戻って呑みなおそうか。


福岡
中洲 はかた舟
- 住 所
- 福岡県福岡市中央区西中洲4-6リップルビル
- TEL
- 092-734-0228
- 営業時間
- 11:00~0:00(乗船時間は2時間)※要予約
- 定休日
- なし
※記載内容はFDA機内誌「DREAM3776」Vol.15号(2016年3月発行)掲載時のものです。