


土佐24万石、一国一城の主となった山内一豊によって創建された「高知城」は、およそ400年前の城閣の姿を今に留める国内でも有数の名城です。慶長12年(1727年)の大火によって、追手門以外のほとんどの建物を焼失したものの、宝暦3年(1753年)にほぼ全ての建造物が再建されました。
「懐徳館」と名付けられた本丸御殿では藩主の居室などを見ることができ、質実剛健な当時の暮らしが偲ばれます。また、天守には築城当時の様子を描いたジオラマも展示。戦国時代を背景に国造りに邁進した初代・一豊から、国政に一石を投じて明治維新へと導いた十五代・豊信(容堂)までの山内家の変遷から、壮大な歴史ドラマが浮かび上がります。土佐の偉人たちの思いに触れてみませんか?


追手門の奥に天守閣を望むことができる城は、全国でも大変珍しい。築城時に石工たちが残した文字の数々を石垣の中から探してみよう


(上) 代々の藩主の居室からは筆山を眺めることができる。中腹には山内家墓所があり、十五代・容堂以外の全ての藩主とその家族が眠っているという
(左) 築城時には前藩主・長曽我部元親の遺臣による襲撃を恐れていたという一豊。影武者を5人も連れて城内を見回ったという場面をリアルに再現