安曇野を中心に信州を旅するなら、お宿は北アルプス山麓の穂高温泉郷に定めましょう。 緑に包まれながら露天風呂を楽しめるお宿を3軒ピックアップしました。

森の中にひっそりと佇む“にし屋別荘”は、新潟の山里から古民家を移築して造られた母屋と離れ全5室のこじんまりとした宿。 屋号に“別荘”と謳われているように、周囲を林に囲まれた、心地良い隠れ家のような空間です。

5つの部屋はそれぞれに趣が異なります。 ‘伊万里’や‘備前’など、部屋にはそれぞれ焼き物の名前が。

中でも一番人気は、母屋2階の‘益子’という部屋。 ここはメゾネットタイプのような造りになっていて、まるで古民家の屋根裏にいるような気分。 バリ風の家具が絶妙にマッチしたゆっくりと落ち着ける空間です。

料理は季節ごとの旬な素材を使った、滋味あふれるものばかり。 主人のこだわりが感じられる皿に美しく盛りつけられると…… ほら、こんな感じです。

3つあるお風呂はすべて貸切利用できます。 う～ん、贅沢ですね。おすすめはやっぱりヒバの露天風呂。 柔らかい弱アルカリ性の湯につかりながらぼんやりと自然を眺める至福のひとときを、心おきなく独り占めしちゃいましょう。

常念岳の麓、穂高の森に包み込まれるように佇むリゾートホテル。 安曇野の表情豊かな自然を実感できます。

窓の外にはカラマツの原生林が色濃く、奥深～く広がっています。 ホテル曰く‘森林浴の客室’。窓を開け放てば、森のマイナスイオンが気持ちよく流れ込んできます。 洋室だけでなく、和室や和洋室も用意されていますから、好みで選んで予約しましょうね。

これが当ホテル自慢の露天風呂‘森の湯’。 写真では伝わりきらないと思いますが、本当に森に包まれるような感覚で入れるんですよ。 自然を眺めながらの明るい時間と、満天の星空の下入る夜の時間。2回はマストで是非。

料理は、和食と洋食から選べます。 北アルプスの伏流水で育ったおいしい野菜や果物、信州牛や信州サーモンなどご当地のブランド食材を使った料理は、ホテルが‘和洋ふたりの料理長渾身’と豪語するごちそう。目移りしちゃいますね。

穂高温泉郷を車で走っていると、‘山のたこ平’と記された大きな看板が目に入りました。 山なのに“たこ”？ その名前が妙に気になったので、導かれるままに中房温泉郷方面へ。 果たして、‘たこ’は“多幸”の意。 文字通り幸せな気分になれる不思議な宿でした。

立ち寄り湯としても地元で人気の温泉は、弱アルカリの単純温泉で、湯上りはお肌がすべすべに。 大浴場と露天風呂があります。

部屋はすべて和室で全23室。

お待ちかねの夕食は、安曇野産の素材をふんだんに使った和食会席。 ‘スタンダード会席コース’を選べば、宿の職人が打つ本格的な信州そばもいただけます。 （予約の際に申し出ておけばそば単品でも注文可）。 田舎風炉端焼きコースは宿泊3日前までに要予約のプレミアムメニュー。白馬のSPF豚を中心にした自家製味噌鍋で、館主自らが釣ってくる天然岩魚もしくはヤマメの塩焼き、信州プレミアム牛肉の石焼きが添えられます。地酒‘大雪渓’と一緒に信州をまるごと堪能！

食後は宿内のBARで飲み直しましょうか。

‘山のたこ平’では、そば打ち名人による指導のもと、そば打ち体験もできます。 石臼で引いた地元安曇野産のそば粉を使って一打ち（2～3人前）3,150円。所用時間は一打ち1～1.5時間程度ですから、お土産に打って帰るのも一興かも。要予約です。

の～んびりと安曇野を旅した休日。 みずみずしい旨みのワサビをかじり、 透き通るように美しいそばを食し、 大自然の営みを感じながら森や里山を歩く。 そのどれもが、安曇野の滋味を知る十分なごちそうでした。 ぶらりぶらりと散策すれば、いたる所に道祖神が微笑んでいたり、 思わぬ場所で水田に映る北アルプスの美風に出合ったり、 訪れる先々で小さな、そして幸せな発見がありました。