
Day 1北九州
小倉で体験“角打ち”と100億ドルの夜景
旅の1日目は小倉・八幡エリアです。女子や旅行者に最近人気を広げているローカルな飲みスタイル“角打ち”を体験。皿倉山で日本“新”三大夜景の感動にひたります。

旅への思いを膨らませて、雲の上のおしゃべりを楽しんでいたら、あっという間に北九州空港へ到着。

1日目は車で40分ほどの距離にある北九州市小倉エリアのシンボル『小倉城』を見学します。

2019年3月にリニューアルされたばかりで、エレベータが新設され車いすの方も利用できるようになりました。石垣は、味わいある特徴の野面積み。館内では小倉400年の動乱絵巻を面白く紹介しています。隣には、多くのファンを持つ作家・松本清張の記念館もあります。

お城を見学した後は、いま話題を呼んでいる“角(かく)打ち”を体験します。約束していた『北九州角打ち文化研究会』の女性2人と『平尾酒店』の前で合流します。小倉の街で約80年続いている酒店で、店構えからして昭和を感じさせるシブい味わいです。

観光客の間でもひそかに人気が広がる角打ち。鉄と共に栄えた北九州市には、高度経済成長期を支えた職工さん達によって角打ちが広まり、今も息づいているのです。超ローカルで地元色の濃いディープな世界へ案内してもらいます。「角打ちはね、酒店の中で飲むのよ。とにかく入ってみましょうね」と、いざ店内へ。

「さあ、飲みましょう」と乾杯!本来は立ち飲みですが、イスを出してもらいました。ガイドの女性いわく「昔は日本中どの地域にもあったはずよ。仕事を終えて家に帰る途中で酒店に寄って、買った酒をその場で飲みたいという客に、気のいい店主が飲ませたのが始まりみたい」。

酒棚の向こうから、常連さんと思われる楽しそうな声も聞こえてきます。昔も今も酒店の中に色濃くある不思議な角打ちワールド。酒店のお母さんも気どらなく話をしてくれます。昼間から飲んでいるのは、交代勤務を終えた職工さん達が家に帰る前に立ち寄ったという習慣が残っているからです。

酒店だけにお酒の種類がたくさんあって、なにしろ安い!店の販売価格と、そう変わらない値段です。店によって違いますが、瓶や缶といったアルコールは自分で用意して、焼酎や日本酒などは店主に頼むスタイルもあるようです。支払いも1杯ずつ、また申告制など店ごとのルールがありますので、先客に聞いてみるのも良いでしょう。

ほろ酔い気分になり日が傾きはじめたころ「お店ごとに雰囲気は違うのよ。次の角打ちにいきましょう」と誘われて歩き出します。

途中で立ち寄ったのは“北九州の台所”と呼ばれる『旦過(たんが)市場』。1.2㎞ほどの通りには、120もの店が軒を連ね、地元下町のエネルギーと活気で満ち満ちています。

創業は大正9年という『小倉かまぼこ』で、美味しい揚げ物を買ってパクリ。他にも、この市場では一風変わった楽しみ方があります。市場の人に聞いてみましょう。

2軒目はJR西小倉駅から歩いて5分の『末松酒店』へ。

壁に取り付けられた小さなテーブルやカウンターなど、みんな思い思いにお酒を楽しんでいて賑やかです。

居酒屋ではないので、肴は店内の棚にある乾き物を買うことが基本です。缶詰のやきとり、韓国海苔、パックに入った練り物などもあります。このB級感や石原裕次郎のポスターなどが貼られた店内のレトロ感もいい雰囲気。そしてたっぷり飲んでも、とにかく安いのです。

北九州市内では、酒店の8割にあたる180軒ほどで角打ちを楽しめます。これぞ北九州のディープな酒文化。地元の方々やサラリーマンだけでなく、最近は口コミで観光客や女性にも人気が高まっているそうです。

次は、日本新三大夜景に選ばれた『皿倉山(さらくらやま)』へ向かいます。西小倉駅からJR鹿島本線の博多行に乗り5駅目の八幡で降ります。八幡駅からケーブルカーの乗車口、山麓駅までは金曜日・土曜日・日曜日・祝日は無料のシャトルバスが運行しています。歩いても約30分です。

山麓駅から中間点の山上駅までは約1100m。乗り込んだ平行四辺形のケーブルカーは、ジャンプ台なみの最大斜度28度を6分で登っていきます。

ケーブルカー・スロープカーは、シャトルバスと同じ曜日に運行を行なっています。その他の曜日は、朝10時から下り最終18時までです。利用の際は時間に要注意。

山上駅からはスロープカーに乗り換えて、山頂展望台駅まで約3分です。

スロープカーの座席は窓側に向いていて、宝石箱からあふれ出たかのような夜景の大パノラマが目に飛び込んできます。この夜景が時を止めてしまうほど感動的なのです。

圧倒的なスケールでまばゆい光を放つ幻想的な夜景。手前には北九州の工場夜景、小倉エリアから関門海峡、門司港周辺へと光のまばたきが広がります。こんな素晴らしい別世界に、山麓からたった10分ほどで登ってこれるのも人気の理由。 また、スロープカーのデッキの蓄光石の中に、ハート型の石を見つけるといいことがあるかもしれません。山頂からの夜景が”恋人の聖地”として認定されたことを記念して造られた「天空ドーム」など、北九州で最も人気の高いロマンチックなデートスポットです。
【紹介施設のご案内】
小倉城
https://www.kokura-castle.jp/
北九州角打ち文化研究会
http://www.kakubunken.jp/
平尾酒店
住所:北九州市小倉北区紺屋町6-14
電話番号:093−521−3268
小倉かまぼこ 旦過店
https://www.kokura-kamaboko.com/
末松酒店
住所:北九州市小倉北区室町2町目4-6
電話番号:093−582−3268
皿倉山ケーブルカー
http://www.sarakurayama-cablecar.co.jp/