「超絶産直の店。
天草の美味を召し上がれ」

「熊本の天草諸島近海には、この季節、マダイとかコウイカ、タチウオ、ブリ、それからハモなんかが水揚げされててね。車エビも旨いよ～」。そんな話をしながらタクシーの運転手が案内してくれた店が、天草の魚を看板にする『魚家まさき』だった。旅館の板場で修行したという息子が店主を務め、両親と共に切り盛りしている家庭的な店だが、ただの店ではない。

名物の『車海老の刺身』を注文すると、目の前のいけすで泳いでいる海老が直ちに刺し身となって登場。身はキラリと透明でブリッブリ。エビだけでなく、刺し身はどれも鮮度抜群だ。

実はこの家族、父方の実家が上天草市で鮮魚店を、母方の実家が車エビの養殖場を営んでいる最強タッグ。両親は深夜に店が終わると毎日１時間以上かけて天草まで車で戻り、翌日それぞれの実家で仕入れをして店に出勤するという、まさに超絶産直配送。

……と聞いて納得。どうりで美味くて安いわけだ。