2日目は、ホテルの目の前の福江港から出るジェットフォイル（高速船）で上五島へ向かいます。
上五島は、五島列島の北東部に位置する中通島を中心とするエリアで、世界文化遺産にもなった潜伏キリシタン関連遺産もこちら側に多く立地しています。福江島を中心とした下五島エリアとはまた違った「しま旅」を楽しむことができるでしょう。

福江港は上五島と長崎の間を結ぶジェットフォイルだけでなく、博多からの夜行フェリーや近隣の島々とを結ぶ小型高速船など、多くの船が行き交う五島の一大ターミナルです。上五島最大の島である中通島まで、ジェットフォイルでわずか３０分の船旅です。

ジェットフォイルは、中通島南部の奈良尾港に到着します。ここから世界遺産の教会群のある北部の有川地区まで、リアス式海岸を眺めながら移動します。

中通島を縦断すること1時間ちょっと、北西部に隣接している頭ヶ島に、世界文化遺産「頭ヶ島の集落」のシンボル「頭ヶ島天主堂」があります。

頭ヶ島天主堂は、全国でも珍しい石造りの教会で、かつて厳しいキリシタンの迫害を逃れるためこの小さな離島に移り住んだ信者たちが近隣から切り出された砂岩を積み上げ、10年近い歳月をかけて建造されました。

その重厚な外観とは裏腹に、内部は花柄模様があしらわれた明るく柔らかいイメージとなっています。

美しい教会ですが、今でも信者が集う神聖な祈りの場です。マナーを守って見学したいものですね。

さて、ドライブ中に見つけた坂本龍馬像。この付近で坂本龍馬が組織した「亀山社中」の船が嵐に遭って遭難したことから、その船員たちの冥福を祈り合掌した龍馬の姿をあらわした銅像です

お昼ごはんにしましょう。今日のお昼は、日本三大うどんの１つとも言われる五島手延うどんです。島内でも人気な「麺’sはまさき」さんでいただきます。
五島うどんは五島近海の海水塩と島内で採れる名産の椿油を使用した手延うどんで、五島列島の中でも発祥の地である上五島で生産が盛んです。

大鍋でグツグツ煮えたぎるお湯の中で五島うどんを茹で、すくっていただきます。その見た目から「地獄炊き」と呼ばれます。寒い時期なら特に体が温まりますね。

トビウオからとった、すっきり上品なあごだしスープや、醤油を少したらした溶き卵につけて食べるのが現地流。２人も初めてのうどんの食べ方を楽しみつつ、舌鼓です。

お腹がいっぱいになったところで、お店のそばにある「蛤浜海水浴場」へ。上五島でも指折りの美しい遠浅の砂浜です。海水浴の時期ではありませんでしたが、あまりの美しさに、２人は裸足になって波打ち際へ駆け出します。

引き潮の時間帯だと、白くきめ細かい砂浜が一気に広がります。透明度の高いエメラルドグリーンの海とスッキリした青空とのコントラストが美しいですね。

午後のおやつはどこでいただきましょうか。島北部の矢堅目では、五島のきれいな海水を使った塩作りをしており、こちらの「塩ソフトクリーム」が美味しいと地元の人に教えていただき、訪れてみることにしました。

こちらの「矢堅目の塩本舗」では、その場で製造された塩だけでなく、上五島の様々なお土産も取り揃えています。ドライブ途中に立ち寄るのもおすすめです。

早速塩ソフトクリームをいただきます。ほんのり甘じょっぱい塩味は、さっぱりしているのに上品なコクがある、手造りの海水塩ならではの味わいです。

食後は、実際に塩を作っている工場を見学させてもらいました。
五島近海で汲み上げた海水を、薪を使って数日かけてじっくり煮詰める伝統的な製法を取ることで、ミネラル分を失わずに味に深みのある塩ができるとのことです。

窯で煮詰められた海水は、移し替えてさらにコトコトと数日かけて蒸発させることで塩の結晶になります。こうして手間暇かけて造られた塩は、どんな料理も美味しくしてくれるでしょう。お土産におすすめです。

今回訪れている上五島には、29もの個性あふれる教会が存在しており、教会めぐりがお勧め。次はステンドグラスが美しい青砂ヶ浦天主堂を訪れてみましょう。

頭ヶ島天主堂と異なり、正統的な様式のレンガ造りの教会。こちらも明治時代に建てられた歴史ある国指定重要文化財です。

特徴的なアーチ状の天井は、俗に「コウモリ天井」とも呼ばれています。

湾を見下ろす高台にあり陽当たりの良いこの教会は、美しいステンドグラスのカラフルな光が教会内を照らし、荘厳な雰囲気を更に高めます。

上五島にはもっとたくさんの見どころもあり、宿泊して巡るのもおすすめですが、福江島からも日帰りで訪れることができます。
さて、夕方のジェットフォイルで福江島に戻った2人は、宿泊しているGOTO TSUBAKI HOTEL内のレストラン「TSUBAKI KITCHIN」にてイタリアンディナーをいただきます。

五島の海と地中海からインスパイアされたコンセプトのこちらのレストランは、五島の旬の食材をイタリアンでいただくことができます。
同じ食材でも、調理方法を変えればまた違った美味しさに気づくことができます。五島の自然の豊かさを改めて実感した一日となりました。