札幌 小樽運河



ブロンズ製のガス灯に、ポツポツと明かりがついたら小樽散策スタートの合図。オレンジ色の明かりは水面に映り込み、沈みゆく夕日に代わって「小樽運河」に柔らかな明かりをともします。石造りの倉庫や教会が軒を並べるレトロなムード満点の運河沿いは、まるでヨーロッパのどこか小さな国のよう。そんな世界を、大好きな映画の主人公になったつもりで、一つひとつ場面を思い出しながらたどり、同じ場所に立ってみたり。約1㎞の遊歩道をのんびり歩いていたら、辺りはすっかり暗くなっていました。散策のクライマックスは「浅草橋」へ。北海道は歴史が浅いといわれるけれど、その分濃い歴史がこの石積みのように積み重なっているのかな、と感慨深く浸ってしましました。



(上) 9年の歳月を費やし、石狩湾の沖合を埋め立てて「小樽運河」が完成したのは大正12年。運河の両側にはれんが造りの重厚な倉庫が立ち並び、全盛期には貨物の積み下ろしをする大勢の作業員でにぎわっていた
(左) もちろん昼間の運河もすてきな雰囲気。ぐるりと運河沿いを巡る人力車もあるので、車夫の案内を聞きながら優雅な気分を楽しむのもお薦め

運河沿いに立つガス灯は、小樽の海からやってくるウミネコたちの止まり木。そのかわいらしい姿にシャッターを切る人が少なくない