パイロット/機長
2011年入社
リージョナルの可能性〜私的にも実感

座席数こそ少なめながら、スピードにも飛行高度にもすぐれ、
大型機同様の高速・安定航行で、地方空港間をダイレクトに結ぶ。
エンブラエル社・ERJ170型機は、
こうした「リージョナルジェット」の特性を代表する機種のひとつです。
イノベーティブなこの機で、日本の空にもイノベーションを!
そんなFDAの夢を、コックピットの最前線から担います。

My Story

パイロットとして、ぜひ、操縦してみたい。
そんな魅力との出会いが、
FDAとの出会いでもありました。
静岡・牧之原。私が初めて「ERJ170」の操縦桿を握ったのは、FDAの採用試験の中でのことでした。自分ではどうすることもできない状況に遭遇して、パイロット訓練の半ばで長期間に及ぶ「訓練停止」を余儀なくされました。私を育ててくれた当時勤めていた会社やお世話になっていた方々と仲間への想いと、早くパイロットの道に進みたいという気持ちの中で、葛藤の日々を過ごしていました。FDAの試験に挑むことは、その中で下した大きな決断でした。そして、その日。フルフライト・シミュレーターのもたらすバーチャル、いや、まさしくリアリティーそのものの中でERJ170型機に出会ったとき、FDAに入社して訓練を再開し、早くこの機を操縦したい! そう強く願ったのです。
日頃から、お客様との近さを感じながら飛ぶ。
飛ぶことのやりがい・楽しさも、もっと大きくなります。
パイロットとしての飛行実務経験、あるいは何らかの形での操縦経験をお持ちの方なら、ご理解いただけるかもしれません。クルマに「ドライブフィール」があるように、飛行機にもそれぞれ固有の操縦フィーリングがあります。私が感じたERJ170型機のそれは、極めて魅力的なものでした(後にも触れます)。ERJ170(および175)型の80席前後というサイズ感も、後々実際のフライトを経験してみると、実に「イイ感じ」と思えてきます。お客様も同様にお感じのようで、安全運航の重責を担いながらも、どこか、ご搭乗の皆様と「空の旅の楽しみ」を共有している・・・。そんな気持ちになることがあります。この機だからこそ、あるいはFDAだからこその、やりがいのひとつです。

Question

仕事のことや気になるポイントを聞きました
入社までの経緯や動機を教えてください。
新卒で大手航空会社の自社養成パイロット訓練生として入社。カリフォルニアでの基礎訓練を受け、終了しました。その後、経営状態の悪化を受けての訓練停止~退社と、暗転の時期を経験しましたが、当時の先輩や同僚も続々入社していたFDAを知り、改めて志望しました。ERJ170型機に出会ったこと。また、会社の理念にも共鳴し、入社の決め手となりました。
ズバリ、エンブラエル・ERJ170型機の魅力とは?
パイロットは自分の楽しみを主目的に操縦をするのでは「決して」ない。ということを力説させていただいたうえで申し上げると、ERJ170を操縦するのは、(地上で言えば)「2シーターのスポーツカー」を縦横無尽に駆る・・・そんな爽快感と、どこか通ずるものがあります。航空機としての性能の高さの現れであり、最先端の「フライ・バイ・ワイヤ」が採用されていることも要因のひとつでしょう。しかし、パイロットとしては、ハイテクに頼り切ることなく常に操縦技術を磨き、フライト中は五感を研ぎ澄ませていることが重要です。「人間にしかできない」正しい判断・正しい操作を行うことを、私自身、自らに厳しく課しています。
「お客様に近い」ともありますが、この点での同型機の特徴は?
お客様目線では、機内の快適性が高いことが第一の特徴です。「ダブルバブル」と呼ぶ画期的構造で、天井高・座席空間共にゆとりが感じられます。ボーディングブリッジも接続でき、ご搭乗時の利便性も高いです。ご搭乗といえば、FDAは小さな規模の地方空港にも就航していて、そこではお客様の乗り込む姿を間近に拝見します。近しさを感じて、うれしくなりますね。
仕事の流れを、大まかに教えてください。
出発前確認→客室乗務員とのブリーフィング→1日あたり2~4便の運航→飛行後のブリーフィング。こんな流れです。他社とも決定的な違いはないと思いますが、飛行時間は1時間程度の比較的短時間が多いです。多数の様々な空港へ飛ぶことと併せ、飛行経験を着々と積み上げることができます。それもあって、機長への昇格は、比較的早いのではないでしょうか。
仕事の中で、「FDAならでは」と感じることは?
航空会社には多種多様な専門性の高い職種があります。それらは連携しているとはいえ、互いの業務内容まではよく分からない。そんな状態が一般的とも聞きますが、FDAではワンフロアにあらゆる専門職が(間接部門も)集まっているため、(少なくとも環境としては)相互理解・より綿密な情報共有が可能な状況です。意識を高く持てば、「飛行機はチームで飛ばす」という根本原理を、まさしく、実感・実践していくことができると思います。
機長として、またFDAの一員としての今後の抱負は?
仕事や訓練を通じて、自らの技術を向上させていくこと。副操縦士をはじめ、Crewの成長を支援し、同時にそこから自らも学ぶこと。まずこれらが第一です。安全な飛行のための基礎でもありますね。個人的な事柄になりますが、FDAの就航によって家族が大きな恩恵を受けたことがあり、「本当に」地方在住の方の交通のお役に立っていると、強く実感した経験があります。実際、地方空港間をダイレクトに、それも高速で結ぶことの波及効果は、これからもじわじわと広がっていくでしょう。私たちが担う安全で安定した運航は、持続的な価値供給の源泉のひとつ。そのことを常に心に留めながら、これからもパイロットの仕事に邁進していきます。