肴糀醸 やしろ

5人も並べば満席になるカウンターと、酒樽で作られたテーブルが配された店内。呑兵衛のみならず杜氏や蔵人も足を運ぶ玄人好みの店で、酒の話が尽きない。
「杜氏や蔵人も足を運ぶ
玄人好みの酒の店」
上戸にとって、その土地の一番の御馳走は地酒。とは言え、初めての旅先だと銘柄の傾向が不明だし、かと言って最初から白旗を上げて教えを乞うのもプライドが許さない。実に、酒好きとは面倒な生きものだと思う。
そんな酒好きが名古屋に来たら足を運んでいただきたいのが、東海3県の地酒がそろう新栄町の『肴糀醸 やしろ』。入り口にぶら下がる大神神社製の杉玉が目印だ。
店内には取り扱う銘柄の蔵名が入った“帆前掛け”が飾られ、杜氏や蔵人がメッセージを寄せた絵馬がずらりと並ぶ。入り口に置かれた手水場が物語るように、装飾のモチーフは神社のようだ。カウンター、テーブルともに席のないスタンディング・スタイルで、店内の冷蔵庫から選んだ酒を自分でグラスに注ぐカジュアルなスタイルが面白い。
つまみは味噌や醤油、糀などの発酵調味料を使ったシンプルな味付けのものが多い。だからこそ、魚も肉も酒も引き立つ。 この日、偶然隣に居合わせたのは、三重の蔵人だった。よし、次の一杯は三重の酒に決まりだ!

旬魚は尾鷲港から直送される。地元以外にはあまり出回らない珍しい魚種も。この日は『汐(カンパチの子ども)酒肴造り』1,000円をオーダー。

アオサ海苔と“しょうゆ糀”でアボカドを和えた『アボカドしょうゆ糀あえ岩海苔風味』500円。磯の香りが鼻を抜け、濃厚な酒にも負けない深い味。

三河味醂(みりん)とたまり醤油で炊いた尾鷲(おわせ)のカツオ。中津川『中島豆腐』の濃厚な豆腐にオリーブオイルと塩をかけた『旨豆腐』など3品のお通し。

住所 | 愛知県名古屋市中区新栄1-6-27 こまビル1F |
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TEL | 052-228-7846 |
営業時間 |
18:00~翌5:00 |
定休日 | 日曜 |
※記載内容はFDA機内誌「DREAM3776」Vol.17号(2016年10月発行)掲載時のものです。