三海の華

北海道最大の歓楽街“すすきの”のど真ん中に、ネタよしコスパよしの鮨屋がある。

高級な店内の設えに思わず財布の中身を確認したくなるが、ご心配なく。カウンターに腰を下ろしたらまず、メニューをご確認いただきたい。各種刺し身や『活たこ焼』などの一品料理は648円～。にぎりは1貫65円～とあるはずだ。店名の“三海”とは、北海道を囲む三つの海──日本海、太平洋、オホーツク海──に由来する。ほぅ、三つの海を低価格で制覇しているのか。と、気が大きくなっても、胃袋のキャパは限られているから注文にはご用心。

まずは肩慣らしに『道内産殻付カキ』や『生ニシンの刺身』あたりからオーダーしてみよう。海のミルクはとろんと濃厚でプリップリ。ニシンはコクのある脂がさらり。 うんうん。これこれ。深く納得したら、あとはもうお好みに応じて行けるところまでどうぞ。

酒が進みに進み、気付けば目の前には旨いものたちが大行進。でも大丈夫。諭吉さんや英世くんや一葉さんは大行進では去って行かない。

大将、お銚子もう二合！

この大きさで1個324円。レモンを数滴絞ってペロッとひと口で。辛口の地酒『国稀』が合う。

イカゲソ65円。タコ130円。活ホッキや活ツブのにぎりは1貫238円。どのネタも申し分なし！

高級な店構えにビビることなかれ。地元のサラリーマンが太鼓判を押す財布に優しい店だ。