お食事処 鶴丸

隠岐の岩ガキは、今や全国に誇るブランド貝。豊饒の海で3年ほどかけて育つため、大きさも味も十分。サイズに応じて1個800円~。
「日本海の旬味を直送で。
芳醇な隠岐岩ガキをご賞味あれ」
隠岐岩ガキの旬は3月から7月まで。そんな話を小耳に挟んだ。
カキは冬の風物と思っていたが、島根の沖合、日本海に浮かぶ隠岐では春遠からじ3月1日に満を持して岩ガキの出荷が解禁されるという。そんな隠岐ならではの旬味を直送で味わえる垂涎(すいえん)の店が松江市の『お食事処 鶴丸』。早速松江城にほど近い店の暖簾(のれん)をくぐった。
ゆったりと広い客席に陣取り、まずはビールと岩ガキを注文する。黄金色の泡とともにやってきたのは、見たこともないほど大きい岩ガキだった。店長は「4月を過ぎるとふた回りも三回りも大きくなるんですよ」と言うが、眼の前のものとて掌くらいの大きさはある。化け物か。
早速レモンを搾って、特製ポン酢をたら~り。ままよと頬張ると、つるんとした食感と想像を超えてぷりっぷりの弾力に驚く。岩ガキは真ガキと違ってふっくらと肉厚で、咀嚼(そしゃく)するほどに濃厚なカキのミルクが止めどなく湧き出し、甘い余韻がいつまでも後を引く。
碧い隠岐の海を彷彿させる味わいには、隠岐の海藻焼酎がよく合いそうだ。ロックで一杯、やりますか。

隠岐産の岩ノリを成形した海苔と特産の『藻塩米』の旨さに思わずうなる『岩ノリのおにぎり』500円。これを目当てに通う客も多い。

壁面には屋号入りの晴れやかな大漁旗。隠岐出身の父娘で切り盛りする同店には、故郷自慢の味がそろう。
住所 | 島根県松江市東本町1-79 |
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TEL | 0852-22-4887 |
営業時間 |
17:30~22:00(OS 21:00) |
定休日 | 日曜、祝日、年末年始 |
※記載内容はFDA機内誌「DREAM3776」Vol.18号(2017年3月発行)掲載時のものです。