鉄板焼き 香月

高級食材アワビの漁獲高日本一を誇る岩手県。三陸の海は水温が低く、他の地域よりもアワビがゆっくり時間をかけて成長するため、旨味が多く蓄えられるのだと聞いた。そんな三陸のアワビを丸ごと贅沢にステーキで食べたくなって、盛岡市内の鉄板焼き専門店に足を運んだ。

店内は落ち着いた雰囲気で、先客は熟年の上品なご夫婦が2組。隣席に陣取ってメニューを開くと、お目当ての三陸産アワビに加えて岩手が誇る前沢牛も食べたくなってしまい、悩みに悩んで両方注文！ ほどなく目と鼻の先の鉄板上で食材が踊り始め、えもいわれぬ香りが立ち上る。

しばらく楽しい“おあずけ”状態が続き、目の前に調理されたばかりのアワビと前沢牛が黄金色の焼色をまとって現れた。ひと口ひと口を大事に味わいながらいただく。旨い……旨くないはずがない。

活きたアワビは加熱をすると徐々に柔らかくなり、一定の段階を過ぎると後は固くなっていく。そのちょうどよいタイミングを見極めるのが鉄板焼きの極意なのだ。

盛岡の夜、ライブキッチンで最高の食材を最高のタイミングいただく至福。

ほう～ん、堪らん！

契約牧場『小形牧場』で育てられた前沢牛の中でも最高級の部位、シャトーブリアンのステーキ。旨味を封じ込める鉄板焼きの至芸が冴えわたる一品。

地元ではお祝いの日に来店する方が多いのだとか。プレゼントのワイン持ち込み＆抜栓も可能。