海鮮居酒屋 はじめの一歩

真サバを半身使う『ごまさば』3人前3,542円(2人前から用意)。すりごまの風味と甘めのたれが絶妙なハーモニーでサバの旨味を引き立てる
「これは参った。
サバがこんなに旨いとは!」
「名物“ごまさば”を食べるなら、外せない店がある」。そう聞いてJR博多駅から住吉神社方面へ歩いて行くと、電光看板に“ごまさば”の文字がドーンとお出迎え。開店を待ちかねたように扉をくぐる客人たちを見て、すぐにその外せない店がここだと分かった。
平仮名の“ごまさば”は魚種ではない。サバの刺し身に、甘めの醤油だれとすりごまをまぶした博多の郷土料理を指す。ちとややこしいが、『ごまさば』にはゴマサバではなく、より脂がのった真サバを使うのだ。
地酒を呑みながら待っていると、大輪の花のような『ごまさば』がやって来た。「おおぉ〜う!」と、思わず感嘆の声。女将に教わった通り、ごまとネギを巻いてひと口ぱくり。と、サバからマグロの大トロにも匹敵する脂の甘さがじわりと溶け出す。これは参った。サバがこんなに旨いとは!
細切りにしたサバの切り身をごまだれに漬け込むのが一般的な『ごまさば』だが、この店ではそぎ切りの身に醤油だれをさっと回しかけて、すりごまを添える。こうすることで身が硬く締まらず、本来の味が引き立つのだという。
素材にはその日玄界灘で捕れた状態の良い天然もののみを使い、「味に自信が持てないときはお出ししない日もあります」と女将。せっかく足を運ぶからにはぜひご相伴に預かりたいが、この譲れないこだわりこそ信頼の証し。ご縁がなければ再訪を期そうではないか。

近海で水揚げされる旬の魚がそろう。福岡市最西端に浮かぶ小呂島(おろのしま)から直送されるウチワエビ。カブトガニのような容姿だが、刺し身972円は甘くて上品

調合した味噌に生でも食べられるサワラを漬け、しばらく寝かせて味噌焼きに。842円。味噌の風味が優しく沁み込み、酒や白飯に合う

靴を脱いでくつろげるカウンター席の他に、個室や宴会席も。壁にはプロ野球選手や芸能人、著名人のサインがずらり
住所 | 福岡県福岡市博多区博多駅前3-7-15 |
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TEL | 092-471-1850 |
営業時間 |
17:30~24:00(日曜、祝日は17:30~23:00) |
定休日 | なし(年末年始を除く) |
※記載内容はFDA機内誌「DREAM3776」Vol.18号(2017年3月発行)掲載時のものです。