熊本 阿蘇神社



「阿蘇神社」では、毎年3月に神様の結婚式を祝う「火振り神事」というダイナミックな祭りが執り行われます。氏子たちがブルンブルンと火のついたたいまつを振り回し、姫神が到着するのを待っているのです。しかも、たいまつの数は一つや二つではなく、数えきれないほどの火の玉が、暗闇の中で美しい弧を描きます。こんなに祝福されたら、神様だって時には牙をむく自然の猛威も沈めないわけにはいきません。この神事には五穀豊穣を祈る農民たちの願いも込められていて、昔は神事が終わってからその年の農耕を始めていたそうです。阿蘇の人々には神様を崇める習わしが伝わるからこそ、その自然と風土が守られているのかもしれませんね。


日本三大楼門の一つに数えられる、二層楼山門式楼門。12の神様が祭られており、国の重要文化財にも指定されている


(上) 「阿蘇神社」は全国的にも珍しい横参道の神社。参道の延長線上の南側には「阿蘇中岳」、北側には「国造神社」が鎮座するという
(左) パワースポットとしても人気。境内の「高砂の松」は女性は右回り、男性は左回りに二周すると願いが叶うとか!?