小牧 虎渓窯



名古屋小牧空港から車で約40分、美濃焼の本場・多治見市にお目当ての窯元を訪ねました。桃山時代から、志野・織部・黄瀬戸などの多彩な技を生みだした伝統の美濃焼体験。ぐにゃりとゆがんでもご愛嬌、自分だけの器を手に入れようと、いざ電動ろくろに初挑戦です。指で陶土を凹ませ、少しずつ指先を広げて器の形に近づけたいものの、思いのほか土が硬く、ろくろの勢いに押されっぱなし。先生が時折、声を掛けて直してくださり、なんとか形になってきました。終わってみると、意外と上手に出来てご満悦。後は釉薬を掛けて、先生に焼き上げを託します。黙々と土と向き合うひとときは、自分に向き合う贅沢な時間。モノづくりの楽しみと達成感に包まれる陶芸体験です。

ゆっくりと回るろくろに息を合わせて、指を添えていく。やがて少しずつ陶土が伸びてゆくのが分かるようになると、一気に楽しくなってくる

器の種類と釉薬を選ぶことで、オリジナルでさまざまな器に仕上げることができる。焼き上がりが手元に届くまで、約2カ月。待つ間も楽しい


(上) 選んだのは、少し大きめの菓子皿。直径20数センチはあろうかという、初心者にとっては大物で、最後の最後に指の形でぐにゃり!「味が出ましたね」とは先生の弁
(左) 国宝の観音堂や開山堂が佇む保永寺が鎮座する虎渓山の中腹に佇む「虎渓窯」。ギャラリーには見事な作品が並び、陶器好きにとって眺めるだけでもワクワク