松本 そば処 時遊庵 あさかわ

薬味の代わりに、ワサビの花芽のおひたしを合わせていただく「わさびの花芽ざる」1,260円。ほのかに舌に残る辛味は、爽やかな初夏を感じさせてくれる

　安曇野市へは松本駅から車で約50分。遠くに北アルプスの山々を望む、自然豊かな場所に「あさかわ」はあります。こだわりのソバ粉は、安曇野・北海道産を店主が独自にブレンドしたもの。ソバ店が軒を連ねるこの地の中でも、強いコシとモチモチした食感の「二八そば」が味わえる店です。アルプスの美しい水で打つソバを楽しみに、遠方から訪れる客も多いそう。器は、土の風合いが残る薬味皿から木曽漆器の美しいせいろまで、全て作家へ依頼した特注品ばかり。上質の器でいただくソバはまた格別です。

「遠くから訪れたと聞くとサービスしてしまう」という「そばすいとん」420円。モチモチした食感のソバだんごからもうまいダシが出て美味

　「ソバを通して、時代とともに失われつつある安曇野の原風景を伝えていきたいんです」と話す店主。この店も庭も、店主が長い時間をかけて作り上げたそう。毎日欠かさず手入れされている広大な庭は、梅雨を迎えると色とりどりの山アジサイが一斉に咲き誇ります。彼岸桜の並木道の奥に広がるソバ畑も、ソバが運ばれてくるまでの散歩に最適な癒しの場所。豊かな自然の恵みを味わえるソバに、美しい野山。安曇野の里で身も心もリフレッシュして帰ってほしいという、店主の願いが込められています。