熊本 馬肉料理 むつ五郎

タタキの概念を吹き飛ばすような「馬たたき」1,000円。ニンニクチップのパンチとネギのツンとした風味が、一層旨みを引き立てるスパイス

　地元人が「あそこなら間違いない！」と言い切る馬肉料理の専門店。馬肉のタタキを注文したはずなのに、ステーキのような肉厚のタタキが出てくるような店です。思わず「間違えていますよ」と店員さんを呼び止めてしまいそうになるほど、見た目はステーキ！あぶった厚切り肉の中身は、しっとりとやわらかいレアの馬肉。一口頬張ると、特有の臭みは一切なし。かむほどに染みだす旨みを味わえるのは、あっさりとした自家製だれがその風味を引き立てるから。あぶる・焼く・煮る・炒めるなど、あらゆる手法で馬肉を楽しませてくれる店です。

まさに桜色をした「桜納豆」800円は、馬肉と納豆を混ぜていただく贅沢な一品。卵と絡めるとまろやかな味わいに。さっぱり味が好みならポン酢を一回し

　頭から尻尾まで余すところなくおいしくいただくことが、“馬への愛情”。熊本には馬肉料理を食べさせる店が山ほどありますが、全身の馬肉料理をいただける店はそうそうありません。試しに「馬刺し」を注文すると、霜降りをはじめ、口に入れるととろりととろけるタテガミ、珍しいところでいうと「根」と呼ばれる大動脈まで出てきます。「馬刺し」は、時間を置いてしまうと旨みが落ちるので、色が鮮やかなうちに箸をつけるのがベスト。お次は、聞いてビックリ馬の脳みそ！白子に似た食感の珍味です。甘辛いしょう油仕立てなので、さっぱりとした焼酎とよく合います。