小牧 勝利亭


受け継いできた「ミヤビヤ」1,200円の要はデミグラスソース。三代目はさらに一手間掛けて、肉のうまみやソースなどを加えながら、まるで我が子のように育てている

「名古屋城」から車で約10分、下町風情漂う「円頓寺(えんどうじ)商店街」入り口に、明治42年に創業したという洋食の老舗「勝利亭」があります。地元常連客はもちろん、全国から足を運ぶ食通たちのお目当ては「ミヤビヤ」。初代店主が取得した本場ヨーロッパの味を、二代目、三代目と受け継いだ店の看板メニューです。デミグラスソース作りは、“こがしに5時間、スープに5時間”。出来あがったばかりの若いソースを、長年使い続けてきた現役のソースに加え育てていくものだと聞けば、その味わい深さも格別です。

この店の「オムライス」850円は、正真正銘の正統派。余計なものは一切加えず、ケチャップライスをオムレツで包んでいる。だからこそシェフの腕が光る一品だ

洋食の定番メニューの中でも、店主の思い出がぎゅっと詰まったメニューが「オムライス」。なんと小学生のころから店を切り盛りする父の見よう見真似で作っていたのだそう。当時から創意工夫を重ねて作り上げてきた自信作です。シンプルなケチャップライスの主役はロースハムや牛タン。卵はほんのり甘く、中はとろりと半熟でライスを巻き上げるのがこだわりの一つ。ケチャップ風味に肉のうまみが効いた大人の「オムライス」は、幼いころに食べた母の手料理を思い起こさせるような、やさしいおいしさに包まれています。

昭和レトロな店で、常連さん気分になるほど心地良い。カウンター席で店主とおしゃべりも楽しい。
TEL | 052-551-5886 |
営業時間 | 11:30~13:30 17:00~20:30 |
定休日 | 水曜 |
駐車場 | あり |
住 所 | 愛知県名古屋市西区那古野1-2-17 |