高知 まるよし食堂

メニューは一皿190円と210円、トンカツのみ310円。とれたてのニロギの一夜干しや珍味・メヒカリなど、旬の高知名物も並ぶのがうれしい

　高知市の台所「ひろめ市場」を抜けて、裏通りに出ると小さな食堂が佇んでいます。ひなびたショーケースには、所狭しとならぶお総菜の数々。そのどれもが特別ではないけれど、お母さんの手料理そのもののように懐かしく、のれんをくぐらずにはいられません。「まるよし食堂」は創業昭和16年。60年以上もの長い間、地元の人々に愛されてきました。ガラリと戸を開け、好きな総菜を手にテーブルへ着いて食べるのが“まるよし流”。「こじゃんと食べとおせ」とほほ笑む女将さん手作りの一皿は、心の芯から温まる“我が家ご飯”です。

古くて新しい感覚の麺メニュー「中日」350円。和風ラーメンとも一味違い、あっさりとして美味。ご当地グルメとしても注目を集めている

　あれも、これもと小皿を重ねた後の〆にぴったりなのが、熱々の麺。せっかくなら高知名物の「中日」をいただこう。なんだか不思議な名前のそばは、ラーメン用中華麺をうどんのスープで味わう香南市の郷土料理です。こしの強い細麺は、固めのゆで加減。うどんよりも細い麺にだしが絡んで、より濃厚なおいしさを楽しめます。お揚げやとろろ昆布などの具が、シンプルな旨さをより一層引き立てるよう。意外性に満ちた日中のコラボのどこか懐かしい味わいに魅せられて、また足を運ぶ人も多いという知る人ぞ知る人気メニューです。