出雲 一成本店

地元では酒の肴に、ごはんのお供にと、なくてはならない「赤天」。パンチの効いた唐辛子の辛みに、マヨネーズを添えて食べるとごはんが止まらないおいしさ

　松江駅北口から徒歩5分ほどの好立地でにぎわう「一成本店」。国産食材を5割以上使用している店の印である緑提灯「地場産品応援の店」がその目印です。広々とした店内には威勢のいい声が響き、「お客さまに元気を」と願う店主の思いが伝わってくるよう。壁いっぱいに記した地酒の中には、なかなか飲めないレアな銘柄もあり、左党を魅了する品ぞろえです。島根県民のソウルフード・赤天でまずは一献。魚のすり身に唐辛子を加えたピリリとした風味と、表面にまぶしたパン粉の食感に誘われて、ついつい酒杯を重ねてしまう一品です。

鮮やかな赤身と繊細な霜降りが特長の「しまね和牛」だからすじ肉も旨い。開店当時から愛され続けてきたこの一皿を目当てに足を運ぶ人も多い

　創業以来30年余、変わらぬ味で常連客を引き付ける自慢の味といえば、「一成特製 牛すじ煮込み」。島根を代表するブランド肉「しまね和牛」をじっくりと甘辛く煮込んでいきます。一口頬張ると、ほろほろと崩れるほど軟らかく、トロリと甘い脂身の旨みが広がっていく一皿。近海で獲れた旬の魚介を盛り合わせた刺し身盛りはもちろん、松葉ガニを焼きで、鍋で、と春夏秋冬のごちそうをいただけるのもうれしい限り。良心的な値段で存分に島根の食を堪能させてくれることから、常連客から観光客まで客足の絶えない店です。