福岡 若竹屋

贅沢なランチタイムを過ごすなら「たのしまる膳」2,400円。その中の一品「鮭の純米酒漬け焼き」は、「若竹屋」自慢の「純米酒 伝兵衛」にサケを一昼夜漬け込んで焼き上げたもの

　福岡市内から車で1時間とかからない、田主丸（たぬしまる）という町に佇む「若竹屋酒造場」。江戸時代から続く、老舗の酒蔵です。当時建てられた蔵は今も健在で、その中ではお酒の試飲を楽しむことができます。
　そんな歴史を感じさせる蔵に併設するのが、「蔵料理慈庵和くら野」。築300年の母屋を改装した食事処で、酒造りに負けないこだわりの料理をいただけます。メインとなる豆腐料理は、決して派手ではないけれど、大豆のうまみが引き立てられた逸品ぞろい。ほんのり甘い大豆の香りは、忘れられないおいしい思い出です。

「おばあちゃんの里膳」1,600円にも付いている「鶏の赤葡萄酒煮込み」には、先代が作ったワイナリーのワインを使用。一晩寝かせているから味が染み込み、箸で切れるほど身も軟らかい

　まずは食前酒から。グラスに口をつけただけで、吟醸酒の香りに酔ってしまいそう。なんだか体中を清められた感じで、背筋がピンと伸びました。一品ずつ出される料理は、ベストタイミングで運ばれてきます。仲居さんが柔らかなしゃべり口調で、料理の説明をしてくれるのもうれしい限り。一口一口を大切にいただきたくなる不思議な力があります。「鮭の純米酒漬け焼き」は、お茶漬けにしてもおいしいかも、ということでご飯をおかわり。「それなら漬物を持ってきますね」という笑顔もうれしくて、ちょっと特した気分になりました。