福岡 若松屋


「上鰻せいろ蒸し(肝吸付き)」2,200円。朱色の箱のふたを開けると、甘辛いタレの蒸気が立ち上る。ふんわりしっかりとしたウナギがご飯を埋め尽くしている

福岡県の南に位置する柳川は、街の中を縦横に掘割が走る風情あふれる古町。そのお堀を船でのんびりと巡る川下りは、水郷の町ならではの光景です。「うなぎのせいろ蒸し」は、古くからこの地に伝わる郷土料理。江戸の時代から、多くの人に親しまれてきました。安政年間創業の看板を掲げる「若松屋」は、柳川の中でも老舗のウナギ料理店。うわさを聞いてやってくる一見さんや顔なじみの常連客で、いつもにぎわっています。目の前に船着場があり、川下り後に立ち寄る人も多いとか。石畳の先には奥座敷。歴史ある佇まいは、老舗の味が確かである証です。

香ばしく噛み応えある短冊切りの蒲焼と、ちょっと厚めのパリパリキュウリ。やさしい甘酢で風味豊か。常連客の中にもファンが多いとか。「うざく」630円

吟味した極上の国産ウナギは、タレにくぐらせながら炭火で焼いて蒲焼に。それを秘伝のタレをたっぷりとかけて蒸らしたご飯の上に乗せ、“なかご”と呼ばれるせいろに入れて蒸し上げます。幅広に切った蒲焼が重なり合いながら4切れ。なんとも豪華です。蒸すことで蒲焼はふっくらほろほろに。タレとウナギの程よい脂、そして香ばしい香りが染み込んだご飯は、もっちりとした食感に仕上がっています。単品で注文する「うざく」は、しっかりと焼いた噛み応えある蒲焼とキュウリの酢の物。せいろ蒸しとは一風違ったウナギを味わえます。

店は堀端にあるので川下りの光景を見れることも。テーブル席や中庭の見える奥座敷がある。
TEL | 0944-72-3163 |
営業時間 | 11:00~OS19:30 |
定休日 | 水曜 |
駐車場 | あり |
住 所 | 福岡県柳川市沖端町26 |