福岡 池田商店

「炊き餃子」は陶板の鍋で提供され、1人前から注文可能。“おひとりさま”も立ち寄りやすいので、出張で福岡を訪れるサラリーマンにも人気

　博多っ子に愛される料理といえば「水炊き」と「餃子」。西鉄薬院駅から徒歩約10分、控えめな看板を掲げた「池田商店」では、「炊き餃子」という博多名物のハイブリッド料理をいただくことができます。グツグツとたぎるスープは、鶏ガラと豚骨の旨みがとろける濃厚な味。薄い皮の餃子をムチッと噛むと、肉汁がジュワッと溢れ出し、餡はコリコリの食感を楽しめます。たっぷりの野菜と鶏肉のミンチに加えて、炭火焼きした地鶏を粗めに刻んだものが入っているので、食べ応えも十分。かすかな炭の香りが鼻に抜ける香ばしい肉の風味を堪能できます。

プリプリとしたモツにゴボウが貫通している「丸腸ごぼう焼」。食感と味の組み合わせがおもしろい。ほかにも居酒屋メニューがそろい、ついつい酒が進む

「炊き餃子」の中盤は、特製竹炭入りの“黒ゆずこしょう”や“辛子みそ”を投入してスープの味に変化を付けるのが食通の食べ方。〆はチャンポン麺に濃厚なスープをまとわせ、最後の一滴まで飽きることなく完食できます。ほかにも、地元の長浜市場から仕入れる旬の地魚の刺し盛りや、豆乳とくず粉で毎日作られる自家製「竹とうふ」が定番の人気メニュー。どのメニューからも、店主の素材や調理へのこだわりが感じられ、ひと手間かけた料理がいただけるので、地元のみならず県外からも足を運ぶお客でにぎわいます。