飴細工師 手塚新理
浅草 飴細工アメシン棟梁。手塚工藝株式会社代表。日本随一の技術力を誇り、世界で活躍する飴細工師。花火師を経たあと独学で飴細工を学び、2013年、東京浅草に工房店舗「浅草 飴細工アメシン」を設立。代表作は透明な飴細工の「金魚」。それまで白い不透明なものしかなかった飴細工業界に革新をもたらした。2015年、東京スカイツリータウン・ソラマチに2号店をオープン。
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花火職人を経て、飴細工の世界へ飛び込んだアメシンの代表、手塚新理さん。飴細工について、まちがいなく魅力的な伝統工芸であるのに、そうとは知られていない現状に、もったいないと感じ、同時に「絶対に面白くなると思った」と言う。それは手塚さんが「伝統」を、単なる昔ながらのコンテンツではなく、常に進化し続けるものと捉えていたからだ。
「伝統と進化は違うものではなく、同じ一つの器に入るもの。何百年と続く歌舞伎も、漫然と残ってきたわけではなく、時代に合わせて人々に受け入れられるよう進化し続け、今も人々に愛されている。飴細工も常にアップデートしていくべきだし、現状に満足せず技術を磨き続ける、そんな心意気こそが職人だと思う」
日本のみならず、世界中で見る人を虜にする写実的な作風も、技術を高め、より優れたものを目指す過程の一つであり、これが完成形ではないと手塚さんは言う。観光客向けに飴細工体験を開くのも、弟子を取りその技術や心構えを伝えるのも、飴細工を一つの伝統として次の時代へとつなげていくためだ。
「飴細工に限らず、いくらいい伝統文化でもそれを受け継ぐ人を育てなければ存続できない。今、私がアメシンでやっているのは、飴細工職人が子どもたちにとって憧れの職業になり、社会ときちんとつながれる仕組みを先陣切って作っていくこと。現状に満足せず進化し続け、振り返ると伝統になっている。伝統ってそういうものじゃないでしょうか」
今回、手塚さんが「FDAアーティストサポートプログラム」で手がけたのは、FDAの機体だ。ボディや尾翼、エンジン部分も忠実に再現したそれは、飛び立つ躍動感に満ちている。
「日本にはすばらしい伝統工芸がたくさんあります。それらをどんどん吸収しながら、飴細工という枠を超えて新たな挑戦をしていきたい。準備はすでに始まっています」
サポートプログラム第2弾は、
来冬スタート予定