Interview

露木 健人

Kento Tsuyuki
ライン整備士 2018年度入社
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わずかな違和感も見逃さない整備士の眼差し。
地域の空と安全を支える、熱意と技術。

フライトの安全を物理的に支える最後の砦、ライン整備士。地元・静岡での開港を機に空の道を志した露木健人は、一等航空整備士として機体の最終的な安全を保証する重責を担っています。
彼が大切にしているのは、小さな違和感を見逃さず、必要とあらば運航を止める「立ち止まる勇気」。その決断を支えるのは、ワンフロアで即座に連携できるFDA特有の環境です。
空を守る技術者の、責任感に満ちた現場のリアルを紐解きます。

整備士の垣根を越えた密な連携。
半年間の合同研修で築く同期との絆と、
他部門から学び視野を広げる組織文化。

FDAの整備組織は、他社には見られない特有の文化を持っています。入社前は整備の現場は静かで職人気質のイメージがあり、整備業務のみに従事すると思っていましたが、実際に入社してみると、パイロットや客室乗務員、運航管理者といった他部門との垣根が非常に低く、日常的にコミュニケーションが活発な、距離感が近い組織だと感じています。特に、入社時の半年間にわたる合同研修を経た同期との結束力は極めて強く、職種を超えた相互理解が組織全体で徹底されています。この環境では、整備士だけでは得られない運航や操縦に関する専門知識を他部署の仲間から直接学ぶことができるため、技術者としての視野を広げることが可能です。この組織全体の緊密な連携体制と相互理解こそが、定時運航と絶対的な安全運航を支える私たちの安全体制をより強固なものにしてくれています。

「立ち止まる勇気」が守る絶対的な安全。
些細な違和感も見逃さない日常点検と、プロとしての妥協なき執念。

ライン整備士の勤務体制はフライトスケジュールに直結しており、早番と遅番のシフト制で日々の運航を支えています。
早番では早朝に出社し、当日の天候や機体状況の共有を行うブリーフィングを経て、出発前の「日常点検」を実施します。この点検は、お客様を乗せる前に機体の安全性を保証する極めて重要なプロセスです。具体的には、電源をゼロの状態から立ち上げ、全システムの動作確認や機体外観の細部点検を行い、万全の状態を確認した上でパイロットに機体を引き渡します。
日中は、到着した機体の外観点検に加え、フライト中に乗務員から報告された不具合への迅速な修復作業が中心となります。
私たちが安全のために最も意識しているのは、少しでも不安を感じた際に「立ち止まる勇気」を持つことです。定められたマニュアルの遵守はもちろん、些細な異音や違和感も見逃さない徹底した姿勢が不可欠です。時には定時運航よりも安全を優先し、確信が持てるまで確認を重ねる。この妥協のない姿勢こそが、プロの整備士には不可欠だと考えています。

Question仕事のことや気になるポイントを聞きました

整備士を目指したきっかけと、FDAを選んだ理由は何ですか?

幼少の頃から乗り物の中でも特に飛行機が好きだったことが、この道を選ぶ原点となりました。決定的なきっかけは、中学生の頃に地元・静岡空港が開港したことです。航空機が日常の光景となり、地域と密接に関わる姿を間近で見たことで、「地元の航空会社で働き、故郷の空を自らの手で支えたい」という夢が明確になりました。
数ある中でFDAを選んだのは、地方と地方をダイレクトに結ぶ路線展開により、地域経済と人々の移動を支える社会貢献性の高い事業コンセプトに深く共感したからです。大手にはない、地域に根差した姿勢に魅力を感じました。
専門学校で知識を習得する間も、「故郷の空を安全面から守る」という使命感が常に私の原動力でした。若手のうちから責任ある業務に携わり、機体と深く向き合えるFDAの環境でプロとしてのキャリアをスタートさせたいと考え、入社を決意しました。

整備士を目指したきっかけと、FDAを選んだ理由は何ですか?
ライン整備士の仕事の中で面白いと感じる点ややりがいを感じる瞬間はどこですか?

仕事の中でやりがいを感じる瞬間は主に二つあります。
一つ目は、自分が担当し、隅々まで点検・整備した飛行機を無事に見送り、滑走路から勢いよく飛び立っていく姿を地上から見たときです。お客様の安全な移動、そして地域を繋ぐという社会的な使命に貢献できていると実感できる瞬間であり、最も達成感を覚えます。
二つ目は、フライト中に発生した機体のシステム不具合やエンジントラブルに対して、タイムプレッシャーがある中で、自身の知識と技術、そしてマニュアルを総動員して正確に修復作業を完了させ、無事に飛行機を定時で送り出せたときです。特に、故障原因の特定と解決は、高度な専門知識と冷静な判断力を要します。
困難な状況を乗り越え、安全と定時性を両立させるプロの仕事に、大きな面白みと喜びを感じています。この瞬間こそが、整備士としての存在意義を強く感じる時です。

ライン整備士の仕事の中で面白いと感じる点ややりがいを感じる瞬間はどこですか?
FDAならではの整備士としての魅力は何ですか?

FDAならではの整備士としての最大の魅力は、コンパクトな組織だからこそ得られる多様な経験と、部門間の圧倒的な風通しの良さです。
FDAは単一機種に特化しているため、特定の機体(エンブラエル170/175)に関する専門知識と経験を、他社では得られないほど徹底的に深く積むことができます。この深い専門性は、高度なトラブルシューティング能力を養う基盤となります。
また、名古屋・福岡・静岡といった地方拠点での勤務経験を積むことが可能であり、以前静岡にいた際は、自社の機体だけでなく、外航他社の機体のグラウンドハンドリングや整備支援を担当するなど、非常に幅広い知識を学ぶ機会に恵まれました。
他部門との垣根が低いため、整備士だけでは知り得ない運航やパイロットの専門的な知識を、合同研修や日常のコミュニケーションを通じて他部門の同期などからも直接聞いて学べることも、技術者としての成長を促す大きな魅力です。

FDAならではの整備士としての魅力は何ですか?
業務におけるプレッシャーとの向き合い方について教えてください。

プレッシャーは日常的にありますが、最も印象に残っているのは、最近発生したエンジンのシステム不具合対応です。飛行中のデータ異常が検知され、フライト後にエンジンの制御コンピューター(FADEC)の交換が必要であると判断されました。この交換作業は、お客様のその後の運航スケジュール全体に大きな影響を与えるため、時間との闘いの中で実施されました。
極度の緊張時、焦りから判断を誤らないよう、私が最も重視したのは、基本に忠実であることに立ち戻り、マニュアルを厳守することです。自分の知識や経験を過信することなく、チームの確認会話を徹底し、冷静沈着に手順を踏むことで、緊張感の中でも正確な作業を完了させ、無事に機体を運航便に戻すことができました。
この経験を通じて、整備士としての冷静な対応力と、基礎の徹底の重要性を再認識しました。

業務におけるプレッシャーとの向き合い方について教えてください。
整備士として「運航を止める」という難しい判断を下した具体的な事例はありますか?

定時運航を守ることは確かに重要ですが、安全に少しでも懸念がある場合に「運航を止める」という重い決断を下すことも、整備士に課せられた不可欠な役割です。
エンジン内部の状態を細部まで確認するBSI(ボアスコープ検査/内視鏡検査)を実施していた際、非常に小さな損傷ではありましたが、内部の一部がメーカーの定める制限値(リミット)をわずかに超える損傷を確認しました。直ちに不具合が顕在化する可能性は低いかもしれませんが、将来的なリスクを考えれば、明確な「リミットアウト」であることに変わりありません。
私は安全を最優先すべきだと判断し、ためらうことなくシフト責任者へ報告しました。その結果、当該機体の運航停止およびエンジン交換が決定されました。代替機の手配などで定時性に影響が出ることは承知していましたが、わずかでも不安や違和感があるなら、立ち止まって確実に処置することが整備士の使命だと考えています。このような判断には大きな勇気が求められます。しかし、一時的な遅れよりも「絶対的な安全」を優先する姿勢こそが、長期的にお客様の命を守りFDAとお客様の信頼関係となり、またお客様が弊社をご利用していただけるループとなると私は信じております。

キャリアアップと資格取得について、具体的に教えてください。

入社時は専門学校で取得した二等航空整備士の資格を持っていました。実務経験を積み重ねた後、国家資格として一等航空整備士を6年目で取得しています。この資格は、機体のほぼ全ての整備作業の最終責任を負う、整備士の頂点ともいえる資格であり、取得したことは大きな自信と責任を得たことを意味します。
社内資格では、基本的な作業を行う初級・中級認定作業者を経て、現在は飛行機を運航便へ戻す際にフライトログにサインをし、安全な状態であることをパイロットに引き渡す最終権限を持つ確認主任者として重要な役割を担っています。
今後の目標は、ライン整備の現場経験をさらに深めた上で、名古屋本社を含む全拠点の整備を統括する全体のマネジメント責任者を目指すことです。
FDAは単一機種のみを扱っているため、その機体の深い専門知識と多くの経験を踏まえ、エキスパートとしてFDAの安全体制をリードしていきたいと考えています。

キャリアアップと資格取得について、具体的に教えてください。
FDAの整備部門における教育体制と、未経験者へのサポートについて教えてください。

整備部門では、入社後約5年で国家資格「一等航空整備士」取得を目指します。近年は一般大学出身の「自社養成整備士」も積極的に採用しており、ゼロからプロへ育てる体制が整っています。
入社後の初期教育は非常に手厚く、自社内での「整備ベーシックマナー」や「危険予知訓練(KYT)」、さらに実機を用いた「初級機体訓練」などを実施し、基礎の基礎から着実にステップアップできる環境を整えています。現場配属後も、経験豊富な先輩整備士がOJTトレーナーとしてマンツーマンでサポートするコーチング制度が充実しており、技術的なスキルだけでなく、FDAが大切にする「安全文化」やプロとしての心構えを直接受け継ぐことが可能です。
現在は女性整備士も活躍しています。現代の航空整備は力仕事以上に、精密な知識や冷静な判断力が求められるため、性別やバックグラウンドに関わらず「飛行機でお客様に安心と安全のサービスを提供するんだ」という情熱がある方なら、誰もがプロフェッショナルとして活躍できるフィールドが広がっています。

FDAの整備士には、どのような資質が必要だと感じますか?

整備士として求められる人材は、何よりも高いチームワークを発揮できる方です。飛行機一機を飛ばすには、整備士の技術だけでなく、パイロット、運航管理者、客室乗務員といった、多くの部門による緊密な連携が不可欠です。特にFDAのようなコンパクトな組織では、職種という垣根を越え、お互いの状況を理解し合い行動できる柔軟性が重要になります。
また、絶対的な安全運航を堅持するためには、少しでも違和感を感じたときに「立ち止まって確認する勇気」です。スケジュールを守ることも大切ですが、何よりも安全を最優先に考え、小さな異音や僅かな違和感も見逃さない観察力、そしてチームでも共有しながら行動に移せる姿勢こそが、プロフェッショナルとしての強い倫理観だと考えています。
FDAでは、そうした人材を育てるために人材育成に力を入れています。航空業界の知識や専門資格がなくても、航空整備士を目指せる環境があります。大切なのは現在のスキルではなく、「飛行機が好きで、整備に挑戦したい」という純粋な熱意だと私は思います。

FDAの整備士には、どのような資質が必要だと感じますか?