山田 朋香
空の安全を裏側から支える、地上の要。
乗務管理者が繋ぐ、一便に込めたチームの絆。
フライトを支える乗務員のスケジュールを司り、安全運航の土台を作る「乗務管理者」。山田朋香は、厳格な時間管理だけでなく、乗務員がベストな状態でフライトに臨めるよう最適な乗務環境を整えています。
天候不良などのイレギュラー時、現場を混乱させない迅速な判断を下せるのは、全部署がワンフロアで顔を合わせるFDA特有の環境があるからこそ。
部署の垣根を越えたチームワークで、安全なフライトを裏側から支える実務の現場を紹介します。
部署の垣根を越えた「ワンフロア」の活気と風通しの良さが、キャリアの新たな扉に。
私は2023年に中途でフジドリームエアラインズ(FDA)へ入社しました。前職では旅行会社に勤務し、主にカウンターでの接客業務に従事していましたが、世界的なパンデミックによる店舗閉鎖をきっかけに、キャリアチェンジを決意しました。元々旅行も飛行機も好きだったため「人々の旅に関わる仕事」という軸をぶらさずに転職活動を進め、ご縁のあったFDAに入社することとなりました。入社の大きな決め手となったのは、前職の際に仕事で接した営業担当者やコールセンターのスタッフの皆さんの印象が非常に良かったこと、そして本社内の業務スペースが「ワンフロア」で構成されている環境です。前職では部署間の連携が希薄になりがちでしたが、FDAでは他部署の社員とも日常的に気軽に話せる距離感の近さ、すなわち風通しの良さに魅力を感じたことが、ここでキャリアを築く大きなきっかけとなりました。
マイナス情報こそ迅速に共有し、乗務員と密に連携するプロの流儀。
FDAに入社して驚いたのは、飛行機1機を安全に定時で飛ばすために、想像以上に多くの専門部署と人が関わっていること、そして、毎日何らかの予期せぬイレギュラーが必ず起きているという事実です。私たちの乗務管理の仕事は、刻一刻と変わるフライト状況の中、航空法規に基づき、安全を最優先した迅速かつ適切な判断を下す「判断力」が極めて重要となります。イレギュラー対応でチームとして最も意識し、徹底しているのは、マイナスの情報ほど迅速に、正直に伝えるということです。たとえ不確かな情報であっても「今こういう状況です」とリアルタイムに共有します。具体的には、フライト中の乗務員とはLINE Worksなどを活用して密に連絡を取り、状況を共有することで、現場の不安を軽減し、乗務員が地上からのサポートを感じながら、スムーズな連携を図れるように工夫しています。この地道な情報共有と迅速な判断こそが、安全運航を支えるプロの流儀だと考えています。
Question仕事のことや気になるポイントを聞きました
最大の理由は、前職の旅行会社での業務を通じて接点のあった、FDAの営業担当やコールセンターの方々の印象が非常に良く「こんなに温かい人が多い会社で働いてみたい」と思ったことがきっかけです。仕事を通じて垣間見える社員一人ひとりの誠実な対応に、会社としての魅力を肌で感じていました。
実際に面接でオフィスを訪れた際、全部署が同じ空間に集まる「ワンフロア」という環境を目の当たりにし、その活気とオープンな雰囲気に驚きました。全国に多くの営業所を展開していた前職では、自分の拠点のメンバー以外は顔も名前も知らないのが当たり前で、大きな組織ゆえに情報や交流が分断されやすく、部署の枠を越えて一丸となる実感を得るには壁がありました。
FDAでは、多様なメンバーが一堂に会し、部署の垣根を越えて廊下で立ち話をしたり、気さくに相談し合ったりできるほどの距離の近さがあります。この「風通しの良さ」と「全員で一便を飛ばす一体感」こそが、私が入社を決めた決定打となりました。
乗務管理者は、航空機の安全かつ定時運航を裏側から支える中核です。
最大の責任は、運航乗務員(パイロット)と客室乗務員(FA)の勤務時間を厳格に管理することにあります。航空法規に基づき、フライトタイム・レストを確実に遵守させながら、最も効率の良いフライトスケジュールを組み上げます。この専門作業は乗務員のコンディションを最適に保つために不可欠です。
業務の約半分は、天候不良や機材トラブルといった日々発生するイレギュラーへの迅速な対応に費やされます。私たちは、全運航便のスケジュールを瞬時に見直し、代替案を作成し、安全を最優先した判断を下します。この判断はお客様の旅程に直結するため、適切な解決策を導き出す判断力と責任感が常に求められます。運航や整備など、多岐にわたる部署間の利害を調整する「調整役」としての機能も担っており、日本の空の安全という社会的使命を舞台裏から強く支えていると実感しています。
この仕事で最も重要だと感じるのは、やはり瞬時の判断力と、その判断を貫く意志です。
運航状況は刻一刻と変わるため、運航管理部から機材や客室乗務員の動きについて打診や相談・共有をいただきます。
その際、便を安全・適正に運航できるか、あるいは乗務員の法規やスケジュールに影響がないかを即座に計算し、言いよどむことなく「この条件なら、この動きで対応可能です」と最適な判断を下さなければなりません。そして、その判断に基づき、現場の客室乗務員へ迅速かつ正確に情報共有を行っていくことが、運航全体の流れを止めないために不可欠です。
私はどちらかと言えば優柔不断なタイプですが、現場の流れを止めないための判断の重要性を日々痛感しており、この能力を磨くことが現在の最大の目標です。自分の判断が運航の安全と定時性に直結しているという強い自覚を持ち、その場にいる誰よりも冷静に、自信を持って決断できるプロフェッショナルになりたいと考えています。
判断の質を高めるため、日々の法規や知識の学習も欠かせません。
イレギュラー対応時において、最も重要視し、チーム内で徹底しているのが「一人で抱え込まず、必ずグループのメンバーと話し合うこと」です。
緊急時ほど、情報が錯綜し判断がブレやすくなるため、冷静に状況を分析し、最適な選択肢を見つけるために、意図的にコミュニケーションを取ることを心がけています。この話し合いを通じて、お互いの考えていることや次に取るべき行動が明確になり、困難を乗り越える勇気ももらえます。
FDAではイレギュラーが起きた際の判断について、「その場にいた人の判断が一番正しい」という考え方が根付いているため、メンバーは過度に失敗を恐れずに迅速に対応できる環境があります。このチーム内での強い信頼関係と風通しの良さこそが、私たちが迅速かつ的確な対応を可能にしている要因だと考えています。多忙な時ほど、正確な情報共有と意思決定の透明性を保つよう努めています。
私は運航計画の企画や実際の操縦をするわけではありませんが、飛行機1機が安全に目的地まで飛んでいくためのすべてのプロセスに、運航という側面から深く関われることが、この仕事の最大の面白さです。
私たちの業務は、お客様の目に触れる華やかな場所で活躍する仕事ではありません。しかし、乗務員全員が無事にスケジュール通りに目的地に着き、そして安全に帰ってきてくれた時が、乗務管理者として何物にも代えがたい一番の喜びとなります。毎日、天候不良や機材トラブルなど、予期せぬ状況やイレギュラーが必ず起こりますが、それらをチームのメンバーと知恵を絞り、力を合わせて迅速に乗り越え、結果として機体を飛ばし続けているという実感が、この仕事の奥深さと醍醐味だと深く感じています。
舞台裏からフライトの流れをコントロールし、安全という大前提を守り抜く責任と達成感こそが、日々のモチベーションの源泉です。
仕事で最も大変だった経験は、入社して半年ほど経った頃に直面した、経験不足からくるイレギュラー対応の判断ミスです。この失敗により、乗務員の方に長時間オフィスで待機していただく事態を引き起こしてしまい、運航全体の流れに大きな影響を持つ乗務管理者としての責任の重さを痛感しました。
しかし、その失敗を単なる後悔で終わらせず、すぐに先輩方に「あの時どうすれば良かったか」を積極的に尋ねました。先輩方が「私だったらこうするよ」「次はこういう視点も持ってごらん」と具体的なアドバイスをくださったことで、迅速に知識と経験を積むことができました。この経験を大きな教訓に、イレギュラーがあるたびに判断の重みと安全への意識を再認識しています。
最大の達成感を感じるのは、やはり「何もなく無事に」1日の業務を終え、すべての乗務員が安全に帰ってきた瞬間です。この静かで確かな安堵感こそが、日々の地道な頑張りの源です。
まずは、現在の客室乗員部内での目標として、業務グループ(管理)と乗員グループ(現場)の間で業務内容が深く知られていないことがあるため、部署内での理解と連携をさらに強化し、強固なチームとして安全運航に貢献していきたいです。部門間の協力体制を深めることが、ひいては会社全体のレジリエンス(回復力)を高めると信じています。
将来的には、総務人事部など会社全体を見渡せる部署へステップアップしてみたいという強い思いがあります。客室乗員部での経験を活かし、次は部署の枠を超えた人材育成の仕組みや制度を管理・構築する仕事にチャレンジして、組織全体の機能性向上や会社全体の成長に貢献することが私のキャリア目標です。
表立ってお客様に見える仕事ではないため、縁の下の力持ちとして地道に支えることにやりがいと喜びを感じる方が特に向いていると思います。お客様に見える場所ではないからこそ、小さなことでも安全運航を支えることに喜びを見出し、チームに貢献できる方が活躍できます。
私たちの職場は、特にイレギュラー対応においてチームワークが不可欠なので、積極的にコミュニケーションを取り、周囲を巻き込みながら動ける高い協調性とコミュニケーション能力も非常に重要だと感じています。緊急時に冷静さを保ちつつ、自分の意見や分析結果を正確に伝えるスキルは欠かせません。
皆さんの命と安全を守る重要な立場として、一緒にチームワークを発揮し、地道な業務の先に大きな達成感を見出せる、社会のインフラを支える仕事に取り組める仲間をお待ちしています。