豊かな気持ちになれるのは、大人になったからかしら。
「古伊万里」で有名な「大川内鍋島藩窯跡」は、
江戸時代の御用窯そのままに残存しているというから見てみたい。
色鮮やかなものから、呉須(ごす)の藍色の文様が美しいのです。
藍といえば天然藍を発酵させ、染め、織りまでを行っている
久留米絣(くるめかすり)の工房にも足をのばそう。
機内誌編集部がおすすめする、本物を知る豊かな旅のご提案です。
1日目
富士山静岡空港発FDA141便 >> 福岡空港着 >> 唐津湾と「虹の松原」を眺めながら贅沢ランチ >> 名勝「虹の松原」 >> 秘窯の里 大川内山へ >> 「KKRホテル博多」へチェックイン >> 夕食は博多名物・水炊き >> 中洲の屋台街
2日目
酒蔵でいただく味わい深いランチ >> 久留米絣の工房を訪ねる >> 筑後の古都をぶ~らぶら >> 特産品が勢ぞろい!「地場産くるめ」 >> 福岡空港発FDA148便 >> 富士山静岡空港着
福岡は上空から見ても街のにぎわいが伝わってくる。
まるでおもちゃの建物がたくさん並んでいるみたい。
海も深い藍色で、これから向かう佐賀方面も
海を眺めながら行けるのかな。
>> オリックスレンタカー |
福岡都市高速道路に乗って、唐津方面へ出発。
バイバスを通れば道に迷う心配もなし!
たまに見える海を横目に、お気に入りのBGMを聞きながら
約1時間15分の快適ドライブのはじまりです。
ランチをとるのは、海鮮料理が自慢の店。
2階にあるカウンター席からの眺めは抜群!
唐津湾と「虹の松原」までも一望できるなんて贅沢極まりない。
目の鼻の先に車エビの養殖場。だからエビを使ったメニューが豊富です。
「車海老釜めし膳」を注文。プラス200円で、お吸い物から
アサリのおみそ汁に変えてもらって、まさに海づくしにしちゃいます!!
小鉢がたくさん付いて、ボリューム満点。
炊きたての釜めしのふたを開けると、湯気と一緒にエビの香りが…
ご飯が隠れるくらいのエビに、食欲がそそられます。
海鮮にぎりもおすすめ。生の車えびがドーンと一本!
それだけでも大満足。
唐津のエビが手に入らない時は、
天草や長崎などの時季のおいしい車エビを
選りすぐって出しているそう。
さらにさらに、両方のメニューに付いているのは「いかしゅうまい」。
なんとこちらのお店は「いかしゅうまい」発祥のお店なんだとか。
できたてはフカフカしていて、おいしさも倍増!
思わず「単品でもう一皿!」と注文しそうになる口を抑えて、
次の目的地へ出発です。
海沿いの唐津街道を進んで、名勝・虹の松原へ。
全長5㎞、幅1㎞の中に約100万本の松の木が、所狭しと生えています。
「三保の松原」に負けず劣らず素晴らしい!
この松原は、唐津藩初代藩主・寺沢志摩守広高が、防風防潮のために
植林したのが始まりだといわれています。
どこまでも続いていそうな、松原の中の一本道をドライブ散歩。
なんだか日本ではないような感覚に見舞われます。
自然の美しさと力強さを体感した後は、
「鍋島」で知られる伊万里市の大川内山へ。
ここ大川内山は、鍋島藩の御用窯が置かれていた「鍋島藩窯跡」。
この地で焼かれた焼き物は「鍋島」と呼ばれ、
330年以上も続く伝統と技が、今も受け継がれています。
陶工屋敷跡や細工屋敷跡などは、江戸時代の御用窯そのままに残存!?
国の史跡指定を受けています。
早速、焼き物好きにはたまらない窯元巡りのスタートです。
壁や橋、道標など、町の至る所に伊万里焼が施されています。
「鍋島藩窯坂」を上りながら、気になった窯元やギャラリーに入って、
色鮮やかな器を手に取り眺めます。
その繊細な絵柄に、これが手描きかぁ、とため息。
いろいろな窯元を見て回ると、欲しいものが候補が続々登場!
たくさんは持てないし…でも欲しいし…、と葛藤を繰り返しながら、
“白ごはんを食べたら豊かな気持ちになれそう”な、
呉須の茶碗を一つ買いました。
途中、カフェがある窯元で、ちょっと休憩。
実際に器を使ってみると、使いやすさとか、持ちやすさとか
試せるからいいんです。
たくさんの作品を見ていると、だんだん自分も何か作ってみたい!
という気分に。
「伊万里・有田焼伝統産業会館」に行くと絵付け体験ができると聞いて、
早速向かいます。
約30分もあれば体験できる、お手軽な絵付け体験。
簡単な説明を聞いて、いざ挑戦!
華味鳥で、お腹も満たしたけど、博多の屋台ものぞいてみたい。
中洲には屋台が集まる通りがいくつかあり、
ラーメン、餃子、豚足焼き、天ぷらなどなど。
一帯には、食欲をそそる香ばしい匂いがふわりと漂っています。
これははしごするしかない!
一見さんでも温かく出迎えてくれる、屋台のおじさんに常連のお客さん。
ついつい話し込んじゃって、あっという間に時間も経って。
明日も楽しむために、今日はここまで!
>> 福岡・博多の観光案内サイト よかなびWeb |
ホテルを出発して目指すは、田主丸(たのしまる)という、
なんとも楽しげな町に佇む「若竹屋酒造場」。
カーナビに住所を入れると、九州自動車道を通り「久留米IC」で降りるコースと、大分自動車道を通り「甘木IC」で降りるルートを案内しますが、
どちらでもOK! いずれも1時間余りでたどり着きます。
ここ若竹屋酒造場では、創業当時の酒蔵で試飲ができます。
レンタカーのドライバーは、ぐっとガマン!
酒蔵に隣接する、築300年の母屋の一部を改築して設けられた食事処
「蔵料理慈庵和くら野」で、お昼ごはんをいただきます。
蔵に眠っていたという陶磁器や漆器などの昔の食器で、
豆腐をメインとした素朴な料理を味わえます。
料理は、77歳の料理長が丁寧に仕込んでらっしゃるそう。
コースは1,600円からそろっています。
今回は「たのしまる膳」2,400円を注文。
だって、ざる豆腐、鮭の純米酒漬け焼き、鶏の地鶏の赤葡萄酒煮込み、
でんべえ畑のグリーンサラダにデザート&コーヒー付きと、
メニューの一つ一つに、そそられてしまったんですもの。
まず出てきたのは、食前酒。それはそれはおいしい吟醸酒です。
ドライバーの人は残念ですが、ノンアルコールのおいしい甘酒がいただけますよ。
若竹屋酒造場から15分。
国道から少し山手に上った耳納(みのう)連山の麓にひっそりと工房を構えるのは、
国指定重要無形文化財久留米絣の技術を保持する「藍生庵」の工房です。
ここは事前に予約をすれば、工房を見学することができます。
染・織り・括りを専門とするご主人と、括り・織りを専門とする奥さんが、
久留米絵絣を仕上げています。
純正天然藍の葉を発酵させた染料「?(くすも)」と、
染め液のベースとなる天然藍の「灰汁建て(あくだて)」にこだわり、
昔ながらの藍染技法で、美しい藍色に染め上げてゆきます。
久留米絣は、緯(よこ)糸と経(たて)糸で描く文様が特徴です。
まずは、緯糸に図柄を描く「絵糸(えいと)書き」と呼ばれる作業から。
この作業で、染めるところと染めずに絣柄にするところを決めます。
染めないところは、ギュッと麻や糸でしばって、
染め液が入らないようにするのです。
緯糸に下書きをした後、一本一本糸をすくって墨と筆で印を付けていきます。
これが緯糸を括るときのガイド役となり、墨付きの部分を括って染め、解くと白い絣が表われるのです。
気の遠くなるような細かい手仕事です。
藍のかめは12本。4本セットで仕込んでいくそうです。
?と灰汁とその栄養分をかめの中に入れて、発酵させます。
染めができるようになるまでに夏場だと2週間、
冬だと3週間はかかるのだそう。
染め上がった糸は機(はた)にかけられて、丁寧に織られてゆきます。
染める前に15工程、染めた後に14工程の作業があり、全ての工程を経て
着物一反分を仕上げるのに、3ケ月はかかるのだそうです。
「私が着ているこの藍染めの服は、もう20年以上着てるんですよ。
でも、あせた感じは全く無くて、
落ち着いたいい風合いになっているでしょ。これが藍なんです」と奥さん。
あらためて藍の素晴らしさを目の当たりにしました。
藍の美しさに感動するのはさることながら、
一つ一つの工程を間近で見ていると、
ご夫婦の伝統を守り受け継いでいる営みに、感服です。
最近、「藍菌」が体に良いという研究が進められており、
軟膏や歯磨き粉なども開発・販売されているそうです。
アトピー肌や、ぜんそく、赤ちゃんに良いということで、
藍染めは、新しい目的で注目を集めています。
久留米大学医学部細菌学教授による実験・調査で、
藍生庵の藍染めからも藍菌の検出が実証されました。
藍生庵では、アトピー肌やぜんそくで困ってらっしゃる方のために、
天然素材の肌着や衣類の持ち込みのみ、藍染めを対応されています。
持ち込みを希望する人は、事前にご相談を。
藍生庵 住所/福岡県久留米市田主丸町竹野3-44 TEL/0943-72-4377 |
>> ほとめきの街 久留米 >> 田主丸ナビ |
「風情ある町並みが素敵ですよ」と、
藍生庵の奥さんから教えてもらった「草野町」。
戦国時代の豪族、草野氏が筑後国の一大拠点として築城した、
「発心城(ほっしんじょう)」の城下町。
そして、戸時代、宿駅として栄えた町です。
町の至る所に、その名残が残っています。
須佐能袁神社は、神仏混合様式の権現造りで、県の文化財に指定されています。
楼門や拝殿に施された彫刻が美しいことで有名です。
西洋風の建物が目を引く「草野資料館」(旧草野銀行本店)や
「山辺道文化館」(旧病院)は、国指登録文化財。
山辺道文化館の2Fでは、ハイカラモダンな雰囲気の中で
喫茶を楽しめます。
てくてくと歩いていると、
ギャラリーやカフェ、民芸店など興味そそられるスポットが目白押し。
ぶらりぶらりと立ち寄っていると、あっと言う間に時間が過ぎちゃいます。
町の3カ所で貸し出しているレンタサイクル300円もあるので、
それを利用してもいいですね。3カ所のどこで借りて、どこで返却してもOK!
>> ほとめきの街 久留米 >> 須佐能袁神社 |